中学生の頃、夏休みは前半と後半に吹奏楽部の登校日、そしてプール登校や補講等があり、時々学校に行っていた。

大概午前中のみで、お腹がすいた状態で家に帰る。

学校に冷水機が設けられていて、水筒を持ってくる習慣がなかった。
(しかも水を買って飲むという習慣が珍しかった時代だった。)
ただし、学校の冷水機は1台しかなく、運動部の生徒が大行列。
飲まずに帰る事がほとんどだった。

以前どこかの記事で書いたけれど、1人だけ別の道で帰るのが寂しかったらしく、遠回りして友達や先輩、後輩とガヤガヤと一緒に帰り、わざわざ遠くまで行ってから自宅に戻る事があった。

しかし、その日は猛暑で、かなりバテてしまった。

家に帰ると食欲がなく、バッタリと倒れ込んでしまった。
熱中症(当時は「日射病」という言葉が主流だった)を起こしかけていたのだと思う。

母が、ピザトーストとアイスコーヒーを作ってくれた。
食パンにケチャップと、溶けるチーズをのせてトースターで焼いたシンプルなものだった。
タバスコの瓶が添えられていた。

アイスコーヒーはインスタントで、牛乳が多めだった。

コーヒー自体、まだまだ飲まない年だった。
けれど、この時の冷たいアイスコーヒーはとても美味しかった。
美味しいと感じるようになってきた事で、大人に近づいたんだという中2病(本当に中2だったけど)だったのかな。

アイスコーヒーが呼び水となり、食欲も出て、ピザトーストをバクバク食べた。