ドラマや漫画で善と悪が入れ替わる瞬間が描かれているものがある。
今放映中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では架空の人物として殺し屋善児(梶原善さん)という登場人物がいる。
あまりにもたくさんの人を殺めてきたので「ちょっと架空の人物にここまでやらせるのは・・・」という疑問の声もあった。
しかし、年老いてからは預かった頼家の子供一幡を主人公の北条義時(小栗旬さん)に殺すよう頼まれたものの「できねえ」と拒否。
結局弟子の女殺し屋トウ(山本千尋さん)にその仕事をかわってもらう。
「千鶴丸の時と何が違う!」
と義時が叫んだ瞬間、人の心が芽生えた善児とこの先悪の道まっしぐらに進んでいく義時が入れ替わったような気がした。
千鶴丸とは善児が最初の方に殺した頼朝の子で、「一幡は俺になついているから」というのが殺せない理由だった。
よくよく考えると、弟子の女殺し屋もそもそも善児が殺した農家の夫婦の娘で、本来は殺される所、善児に育てられた。
もしかしたら善児は子供が殺せないのかもしれない。
となると、千鶴丸も実は殺してなかった説があったりなんかして???
人の心を持ったが故に一瞬の気のゆるみで頼家に刺されてしまい、あげくの果てに女弟子に「親の仇」とトドメをさされてしまうのだった。
ゆっくりうなずいて死んでいった。
この最期に、メインは頼家暗殺の話だったのが、全部善児に持ってかれた。
何かに似ているなーと思ったら、やっぱりいろんな既存の映画のオマージュがある気がする。
善児には「アンタッチャブル」のアル・カポネの手下の殺し屋のイメージがある。
ぬっと現れてすっと殺す、時折おちゃらける・・・
善と悪が入れ替わるという話で忘れられないのが手塚治虫の「火の鳥・鳳凰編」の茜丸と我王のダブル主人公。
海外ドラマみたいな次も見たいと思わせる終わり方。
さすが!!・・・だけど、毎回誰かしら死ぬし。
このドラマで「デスカウント動画」作ったらすごそう。
CGとはいえ、血しぶきとか。
このまま子供に見せて大丈夫なのか・・・
(「隣人13号」よりは大丈夫)