今回のブログは、私の婚活物語「結婚相談所?やっぱりハル?」【4】です。

 

完全にフィクションの話になります。

 

でも、実際にありそうなエピソードを満載して、日々婚活に奮闘している方々に共感してもらえるようなお話にしていきたいと思っております。

 

それでは、私、高橋美帆 の婚活物語、楽しんでいただけると嬉しいです。

 

 

第1話から読んでくださるという方は、こちらから

 

 

 

 

 

私の婚活物語

 

「結婚相談所?やっぱりハル?」

【4】

 

その後、小林さんから再度電話がかかってきて、怒涛の如くそのお医者さんとの顔合わせが決まった。

初めての二人での顔合わせのことを、結婚相談所用語で“お見合い”というらしい。

結局、“お見合い”は今度の日曜日。

ハルと約束した日になった。

「今度の日曜日でいいですよね」

そういう小林さんの言葉に、一応、「次の週では駄目ですか?」と聞いてはみた。

「え?何か予定がおありですか?」

「え、あ、はあ、まあ」

「次の週となりますと、お相手の都合をもう一度お聞きすることになりますね。というよりも、今週の日曜日に高橋さんと会えない場合、この方は他の誰かとお見合いを入れてしまう可能性が高いです」

「え、ええ?」

「だって、忙しいお医者様にとって、お休みは貴重です。婚活に力を入れている方なら、お休みの日は”お見合い”を入れてくるはずです」

「そ、そうなんですね」

「そうですよ。だから、今度の日曜日に行けないとなると、せっかくのチャンスを他の人に譲ってしまうことになるんです」

――そうか。そうなるのか。

やはり、ハルと会っている場合ではない。ハルとの約束なんて、次の週に伸ばしても何も問題ない。

「分かりました。今度の日曜日。“お見合い”させてください」

彼にはお医者さんだというアドバンテージがある。問題はちょっと小太り。それだけだ。私は別に太っている人は嫌いじゃない。あまりに太りすぎている人はちょっと避けたいけれど。

お医者さまかあ。私がお医者さんの奥さん。いや、あまり想像できないけれど。そうなったら、みんなびっくりするだろうな。うちの親も弟も友人も。

ふふふふ。

まだ、会ってもいないのにそんな想像が頭をめぐる。

でもね。それが人ってもんよね。なんて一人うなずく。

さて、ハルに断わりのLINEしなくちゃ。

スマホをタップして、文字を打ち込んだ。

しばらくして返って来たハルからのメッセージは『りょうかい』だけだった。

 

そのそっけないひらがな5文字を固まったように見つめた。すうっと血の気が引いていくのが自分で分かる。

――どうしよう。……これきり、ハルと会えなくなったら。どうしよう。

頭がぐるぐるとしてきた。

このまま、え?ハルとこれきり?

待って。いいじゃない、ハルともう会えなくても。お医者さんの方が大事でしょう?ねえ、美帆。

思わず自分を納得させるように問いかける。

ああ、どうしよう。

『ハル、金曜の夜とか土曜日は?』

指が勝手に動いてLINEを送っていた。金曜の夜って。今度は健康的に昼間に会おうって言ってたのに。私ってば何言ってんだか。

そう思いながら、焦る気分を紛らわすようにスマホを握りしめた。

 

その日、いつまで待ってもハルからの返信は来なかった。

次の日もその次の日も。

今日は木曜日。

ああ、もう、これきり、ハルとは会えないかもしれない。

馬鹿だった。一度、OKの返事をしたのに。断らなければよかった。

日曜日だったら、会えるの?ハルに会えるの?

なら、やっぱり……。

その時、電話が掛かってきた。

――ハル!?

飛びつくようにスマホを手に取る。

画面に映る文字は小林さんだった。

詰めていた息をふっと吐き出す。

ああ、ちょうどいい。お医者さんを断ろう。

そう思って、通話マークをタップした。

 

~ to be continued ~

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