足の故障と付き合う4年だったと思う。
トレイルの走行距離は一向に延びなかった。
30キロレースがせいぜい。
40キロレースに2回挑戦したが
共にDNF(ドントフィニッシュ)だ。

平地だと4キロか5キロくらいか。
トレイルだと10キロ程度で発生する
強烈な膝の痛みに悩まされたからだ。
下りで激痛が走るのだ。



痛むのは膝の横あたり。

山でおっさんが

顔を歪めている姿はまじキモい。

だが、それほどに痛い。
山ガールよ。大目に見てほしい。


問題は解決されないまま日は過ぎゆく。
原因に辿り着けず悶々していた。

あるトレランショップ店員は言った。
UTMFでも好成績を残している方だ。
「走っているうちに強化されて治りますよ」

鍛え方が足りないというマッチョなアドバイス。

「いいサポーターがありますよ」とも。
財布事情が許さず買わなかった。
ごめんね。

だが、走っても走っても
自身で選んだサポーターを使っても
問題は解消はされない。
下り道での痛みは変わらない。
ちなみに登りの場合、痛みは出ない。

整形外科の医師は言った。
「安静にしてください」
「先生、何が原因か知りたいのです」
「走りすぎでしょう。負担のかかる運動は
しばらく避けましょう」

そんなことはわかっている。
安静していれば数日で痛みはとれるのだ。


だが、再び山に挑むと痛む。

これをどうにかしたい。


治したうえで
二度と発症しないようにしたいのです。
おっさんランナーの気持ちを

医師は察してくれない。

安静が肝要だと繰り返すばかりだ。


ネットである情報に行き当たった。

「ランナーズニー」。

または「ランナー膝」とも言われる。
色々調べたらところ、どうやらそうらしい…。

確信めいたものがあった。



(続く)