徐々に雨は遊具の中にも入ってきた。

なぜか老人を起こしてはいけないと感じている真は大きな焦りを感じていた。

水位がほんの少し上がるごとに真の心拍数は増していった。

高鳴る心臓の鼓動と雨の音とが互いに打ち消し合っていた。

老人の靴がボロボロであったせいか、老人は足にひやっとしたものを感じてついに目を覚ました。

真は今にでも逃げ出したい気持ちを抑えて老人に対して頭を下げた。

老人はなぜか微笑んでいた。

真には老人の笑みの意味が全くわからず、混乱に陥った。
遊具の中は狭くやっと人二人が入れるくらいのスペースしかなかった。

「失礼します。」

真が先客に一言かけると先客は何も言わず小さく頷いた…かと思いきや先客は寝ているだけの

真は先客と向かい合う形で立っていることになった。

先客はどうやら老人のようだ。
しかも身だしなみから察するにホームレスであるらしい。

真は大きな気まずさと小さな恐怖を感じていた。

(この老人を目覚めさせてはならない。)

誰かのそんな声を真は心の奥で聞いていた。

雨はますます強くなるばかりだった。
家から目的地までの半分くらいを歩くと雨が降ってきた。
しかも土砂降りだ。

近くに公園があったので真は遊具の中で雨宿りをすることにした。

天気予報は晴れだったのでにわか雨だろうと真は考えていたのだった。


遊具の中に入ろうと中を覗くと、中には先客がいた。

人が嫌いな真だったので、真は一瞬入るのをためらったが外で濡れる訳にもいかないのでここで雨宿りをすることにした。

先客は気味悪く微笑んでいた。
前田真殺害計画

全組合員に命じる。

前田真を殺せ

前田真を殺した者には望み通りのものを与える

もし、前田真に協力したとみなされる行為を犯した場合反逆者とみなし、反逆者とその家族には重罰を与える。


DTグループ代表
真は家を出た。

辺りは昼間なのに夜であるかのように暗かった。
天気予報では晴れのはずだったのに。

真は念のため傘を取りに一旦家に戻ろうとしたが、親に会いたくない気持ちと面倒がる気持ちとがそれを止めた。

辺りはどんどん暗くなる。

まるでこれから何か悪いことが起きることを示唆するのかのように…