企業の事業基盤を支えるものが


サービスであろうと、


商品であろうと、


ITであろうと、


何かしらの「技術」が必ず


ともなうものです。


そのコア技術すら外部委託している企業に、


大きな成長・発展を期待するということは


株価上昇とそれによる企業価値の増大による


M&Aなどの手段しか選択できず、おのずと選択肢を


減らし、戦略として打つべき手も少なくことになるのでしょう。



その技術が、何かしらの価値や機能を生み出し、


それによって顧客の笑顔やウォンツを引き出し満足


するということになれば、その企業はますます利益も上げ


着実に継続的に成長することになるのでしょう。



さらにつきつめると、その「技術」が具現化した姿というのは


トヨタであれば、組立工場のラインであり、


ANAであれば整備工場であり、


鹿島であれば、設計図面や解析ソフトに


何かしらの痕跡を見ることができるはずです。



つまり、


その企業の「技術」の結晶が


工場や建物などの設備の有り方に


詰め込まれているということです。



通常、理想的な工場や建物の


設計の姿というのは、


過去に建設した前例をもとに


その設備を預かった現場の社員が


恒常的な「改善」活動を通じて築き上げた


今、この瞬間の設備をターゲットとするべきです。



自動車工場であれば、改善を積み重ねた設備レイアウトの


今の姿こそ、今の時点でのベスト・プラクティスと


言えます。



ただし、そこに大きな落とし穴があって、


多くの企業は、その「ベスプラ」を模倣した設備に


対する改善活動を歓迎しない雰囲気や制度を


作ってしまうことがあります。


「最新の設備をこれだけ集めて


 〇〇の企業をまねしたんだ。


 生産性も不良品率もいいに決まっている」などと。


しかし、実際には


設備は動かしてこそ、継続的にオペレーションしてこそ


投資に値する成果を生み出す仕組みです。


つまり、日々の業務の中の


設備における改善活動を意識的に継続して行わないと、


昨日からの進化は全くないということになってしまいます。



全ての設備は、新設された姿が「終わり」ではなく、


そこが「はじまり」であり、


如何にその現場の社員のやり方、


つまり「Way」「色」に染めていき、


日々進化することが、


そして継続することまで含めた仕組みこそ


目指すべき「設備設計のあり方」と


いえるのでしょう。



結果として、以上の考察を


土木・建築業界にあてはまれば


なぜ、設計基準や関係する法令が


時代のニーズや流れに合致せず


如何に時代遅れになってしまっているか、が


よく理解できます。



今後の、特に「土木業界」においては


以上のような設計思想を


国・地方・ゼネコン・コンサル含めて


率先して一体となって取り組まないと、


公共投資削減の時代と維持・管理の流れに


マッチできず、倒産する企業や


夕張のような赤字地方公共団体、


そして湯水の如く増える国債が


国民にいずれ牙を向いて襲ってくることでしょう。


今から手を打つべきですが、


実態は...


By たか