おととしは、「自己責任」という


個人的にはあまり好きではない


言葉が流行語として


いろいろな場面で


理屈やいいわけの道具として


活用されていました。



昨年は、おととしほどではないにしても


そこそこ普通の言葉として定着し、


至るところで、世論を写す言葉として


使用されるようになりました。



よくよく考えると、「自己責任」という言葉を


裏には、責任に対応するべき


「義務」なり


「ミッション」なり


あるいは


「仕事」なり


つきつめれば


「行動」が存在すると思います。



そして、その「行動」を規定する


「規則」なる「ルール」なりが


法律や条令による法令か


あるいは


企業であれば


「社員の行動原則」や


「行動基準」に


反映されたものであり、


詳細については


その都度、業務や行動に応じて


責任分界点を


それに関わるみんなが納得した形で


設定する前提条件が必要になると思われます。



そうなってくると、


今までは「既成事実」や「前例主義」に


代表される「建前主義」のもと、


なあなあになっていた


責任分界点を


規則・マニュアルによって


強化しようとする動きが


国・企業・NPOなど組織という枠組みの中で


徐々に顕在化するような一年になるのでは


と予想しています。



これが、


・ある事象が発生して、それが社会やお客さまの


 命や安全を脅かすようなことに発展した場合の


 明確な責任体制に基づく意思決定の迅速化


というよい方向につながるのか、


それとも


・国・企業におけるあいまいな規則のまま


 設定された責任者(管理・監督者)の


 自己責任体制への変貌


と見るかは、私もよくわかりません。



日本が国外から輸入するなり、


国外で製造・サービスを展開するにしても


外部の資源にどのような換算・変換機能を


付け加えるのか、つまり簡単に言えば


その付加価値を生み出す工程を構築する


仕組みやシステムこそが


日本の企業の競争力の原点であると


定義するならば、


まず今年実行すべきは


技術戦略における


国・地方・グローバル企業・国内大手企業・


中小企業などにおける


明確な役割分担だと私は思います。



自動車業界における排気ガス規制強化、


電化製品などの省エネ指数、


廃棄物の削減やリサイクルを含めた環境改革


など、その施策に基づく技術力の強化が


そのまま日本の技術力として


世界に売り込んでいける分野。


一方、


日本が日本であるからこそ抱える性質に


起因する課題に関わる制度改革。


例えば、資源小国、土地と人口の絶対比


などについては


国や地方がどのような方向性をもって


予算配分していくのか、しかも長期にわたって


検証する体制も仕組みとして織り込むなどの


取り組みが必要だと考えています。



私も今属する企業で、


如何にして


その課題は


その企業自体がもつ風土に基づくものなのか、


あるいは


遠からず他の企業もいずれ衝突するものなのか、


そして、


日本のみ特有の事象なのか、


それとも


世界に先駆けてめぐってきた好機なのか、


などを常に意識して、日頃の業務を実践していきたい


と思います。


そうなると、今年のテーマは


狭い視野でなく、広い視野での


「役割分担」を意識した年


ということになりそうです。


企業での業務を通じて、国や地方にもどんどん提言していく、


そんな仕事の出発点にしたいと思います。


それが遠からず、


私が一生をかけて取り組む課題である、


「企業という枠組みの中で、


技術を通じて、社会に貢献する」


をより具現化する次の一歩になりそうな


予感がします。


BY たか