久留米の真ん中には、緑と小川のせせらぎとジェットコースター。一見意味が分からないと思いますけど、これが今のところ私が描くまちなか再生、中心市街地活性化のキーワードです。
全国的に中心市街地の衰退は顕著です。久留米市も例にもれず中心部は年々活気を失っております。私たち議員も先進地視察ということで全国の中心市街地活性化に取り組んでいる自治体を見に行くこともありますが、成功例と呼べるものは見当たりません。
現在、久留米市が目に見える形で行っている施策は、空き店舗対策として指定地域内に新規出店する方への店舗改装費補助や、六角堂などを利用したイベント開催等ですが、街全体のコンセプトやテーマが定まらない中での改装費補助は出店閉店の回転率が上がるだけで砂漠に水撒き状態、イベント開催はカンフル剤的な効果はあってもいつまで目新しいものをやり続けられるか見通しがききません。
私はお役所にありがちな前例踏襲、慣例主義、横並び主義というフィルターは外して、どうせ成功例が無いのだったら全く違う視点から考えなければならないと思っております。
少子高齢化、人口減少というものは避けられません。ということはそのような要素もマーケットとして、戦略的に分析しなくてはならないと思います。補助金を使って空き店舗を埋めることが、中心市街地活性化であり、政治の仕事であるとはとても思えません。その補助金も市民の皆様からお預かりしている大事な血税なんです。周辺部より高い固定資産税収入を望み、本当のクラスター型のまちづくりを模索するのであれば、中心市街地に限らず、人々がそのエリアに永住したくなるようなコンセプトづくりをもっとしっかりと行うべきだと思っております。
街なかにおいて高額の固定資産税、あるいは家賃を支払うのであれば、行政からそれなりの付加価値の提供というものが必要になってまいります。しかし現状は、土地の値段は高いのに治安は悪い、日常の買い物にも不便がある、全体的も何となく薄暗いというようイメージが定着しつつあります。そこに住まう価値を感じられないのであれば、活性化計画というものがうまくいくようには思えません。
例え話ですが、不況と言われる中、なぜ今ハイブリッドカーがこれだけ売れているのか、また、予約が殺到しているのか考えてみますと、燃費、つまりガソリンの価格差によるランニングコストの削減だけでは、イニシャルコストとの辻褄が合わなくなってきます。
あくまで私見ですが、販売好調のトヨタプリウスは、車体、排気量、スペック等比較すると、明らかにベースとなっている既存の車種が出てまいります。商品名ですので細かいところまで言えませんが、その車種も素晴らしい車です。それとの価格差が約7~80万円、10年乗ると仮定した場合、ガソリン使用価格差を計算していくと、1年で約1万8000キロ走ってトントンになる計算になります。となると、経済的と言われてもちょっとどうだろうかということになってきます。
それでも買いかえるなら、若干高い買い物でも少しでも燃費がいい車に、となってきているのは我々の中に、「多少なりとも地球環境に寄与できるなら」という新しい価値観が大きくなってきているからだと思います。これは、エコ家電についても同様だと思われますが、この価値観がこれからの消費マインドとなり、これを刺激して長く続くであろうトレンドとなりつつあるわけです。
まちづくりにおいても、この価値観を巧みに利活用しながら、政策を落とし込んでいくことができないだろうかと思っております。それができないと、いつまでたっても役所のやることは後手後手ということになってしまうでしょう。
久留米の街なかにおいては少子高齢化、つまり教育と高度医療(久留米大医学部、聖マリア、古賀病院等々)、そして環境、エコ、今ある素材を有効活用しながらこのようなキーワードが見える、つまりこの価値感が充足されるエリア構成、こういったものをつくり上げていくことが、まちづくりにおいて大きなポイント、重要なものになってくると考えます。
そこで、間もなく開通する九州新幹線、この新幹線効果活用にもつながるかもしれない街なか再生の一つのツールが全国の遊園地で走り回っている「ジェットコースター」なんです。ここで紹介するものは正式には「エコライド」と呼ばれております。
ジェットコースターがなぜ走るのか考えられたことありますでしょうか。これは単純に、高所から低所に物を落とす、つまり位置エネルギーのみで走っております。つまり車両自体には動力が無いのです。この仕組みを公共交通に利用しようと、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託を受け、東京大学と三菱総合研究所等いくつかの民間企業により、産学連携で研究開発されています。見た目は、モノレールのようなイメージです。10mの高低差で約500m進みます。時速2~30キロです。乗務員なしで走行します。エコという観点から見たら、まさに究極の移動手段です。現在の研究によりますとイニシャルコストが1キロ当たり約20億円、これはモノレールの約6分の1、LRTの30億円よりも、さらに安い金額でつくることができます。
今現在、2012年に実用化(国交省のお墨付き)できるだろうという目処で開発されておりますが、まさに新幹線が開通する時期あたりになっております。JRから西鉄久留米駅前まで、久留米市が策定している中心市街地の中で人々を回遊させる為にも、僕は大きな目玉になるような気がします。もちろんこの事業は久留米市のみでやることではありません。 国、県、市、そしてJR、西鉄等で共同事業体が構築できれば現実性も高まってまいります。
先日、西鉄の政策担当者と会いまして、こういった話をちらっとしましたら、非常に面白いという反応がありました。5キロから10キロが運行距離の理想とされております。池町川の上を西鉄久留米駅前からJRまで行って往復してくると、約6キロ。池町川の上だと土地取得費用も必要ありません。乗降駅を西鉄、JR前、文化街、そして六ツ門辺りにつくって、六ツ門からは聖マリアまで、JRから医学部まで別路線を引けば、まさに高度医療と環境にとことん配慮した面白いものが出来上がってくると思います。
今月上旬に千葉市にある東京大学の研究所に実物を見に行ってまいりました。当該分野の日本の権威である須田教授より直接ご説明いただきながら勉強させていただきました。新政権の掲げるCO2削減目標値は非常に高いものに設定されております。新たな価値観での街づくりへの取り組みは非常に重要なものになってくると思います。
続きます。
ご参考
http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/publication/topics/2008/20081114press1.pdf
山村たいじ