邪馬台国と日本書紀の界隈

邪馬台国と日本書紀の界隈

邪馬台国・魏志倭人伝の周辺と、まったく新しい紀年復元法による日本書紀研究についてぼちぼちと綴っています。

 いま古代史系ユーチューバー合同企画メンバーの中でブームになっている、纒向遺跡出土の漆塗文様円板について、邪馬台国の卑弥呼と関係が浮上してきたので、急遽まとめてみました。

 

●纒向遺跡出土の漆塗文様円板

 

 合同企画メンバーの「古代史まったり研究所」岡上さんが、新動画で、漆塗文様円板は鏡を収めた宝物庫のカンヌキ型の鍵ではないかと考察されました。

 この「閂(かんぬき)」で連想したのが、方保田東原遺跡の家形土器でした。

 10年前に『邪馬台国は熊本にあった!』を書いた時に、国会図書館で読んで引用した2006年発行の方保田東原遺跡発掘報告書が思い浮かんだのです。

※山鹿市教育委員会発行『山鹿市文化財調査報告第2集 方保田東原遺跡7』2006

 

方保田東原遺跡出土 家形土器

『山鹿市文化財調査報告第2集 方保田東原遺跡7』2006より引用

 

報告書の要約|遺物の特徴|

 

・1998年に大道小学校のプール改築工事の調査によって出土した

・脚台つきの家型土器である

・壁面に3本の柱を配した2間四方の家であり、屋根も作成されていたと思われる

・正面右側に出入り口の扉が表現されている

・扉の中央に把手が作られ、上下の付け根は丸く縁取りされている

・扉の右側には閂受けが見られる

・扉は右端上下に円柱状の突起を作りつけ、上下に円孔を穿った部材で挟み、そこを軸に回転させて開閉するものである

・扉の直下に僅かに窪んだ部分が見られるが、恐らくこの建物に入るための梯子が固定されていたものであろう

・板壁の可能性が高く、柱の間には2本の貫板状の凸帯を配している

・赤色顔料が各面において部分的に塗布されている

 

 今回、思い浮かんだ画像は扉中央の把手の台座のようなものです。若干いびつに描かれていますが、円形の台座です。これが、漆塗文様円板と共通するものだったのではないかと閃いたのでした。

 

●扉の把手と台座の想像図

 

報告書の要約|家形土器の考察|

 

・一般的に高床式の倉庫などが考えられるが、そうであればもっと多くの家形土器が発見されても良い。家形土器が希少なことから、特殊な建物を表現したものと考えるのが妥当である。

・扉の形状を忠実に表現していることから、家全体もかなり写実的に表現していると判断できる。現実に存在する家を模倣して作ったと考えられる。

・通常の住居では内側から施錠するが、観音開きの扉は外側に取っ手を付け閂穴が設置されている。高床倉庫ではないとすると、この家は内部に絶えず人が入って生活しているものではなく、特別な人物しか中にいることが出来ない建物で、一定の期間を過ごしたものとも考えられる。

・家形土器のモデルとなった建物は、祭祀者が籠もって神のお告げや声を聞くための空間であり、神と人との間を取り持つ役割を果たすために重要な施設だったのではないか。

 

 以上のように考察され、構造が出雲大社などの大社造りに類似しているとして、当時の神殿を模して作られたものではないかと結論付けられています。

 

 家形土器のモデルが神殿であったとすれば、そして、私が考えるように邪馬台国が熊本にあり、卑弥呼が方保田東原遺跡にいたとすれば、卑弥呼が鬼道を行った神殿だったと考えることができます。

 

●卑弥呼の鬼道神殿の想像図

 

 つまり、このなかで銅鏡を用いた祭祀が行われていたわけです。

 すると、扉に銅鏡をモチーフとした漆塗文様円板があしらわれていても不思議ではありません。

 そして、この銅鏡祭祀が、饒速日命の大和への天孫降臨とともに纒向にもたらされたのだとすれば、方保田東原遺跡と同じような神殿が纒向で築かれてもおかしくありません。

 つまり、纒向で発見された漆塗文様円板のルーツは、方保田東原遺跡にあった卑弥呼の鬼道神殿だったというのが今回の結論です。

 

 

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