やがて君になる(2018年10月~12月まで放送)全13話
原作:やがて君になる(漫画)
原作者:仲谷鳰
監督:加藤誠
シリーズ構成・脚本:花田十輝
キャラクターデザイン:合田浩章
アニメーション制作:TROYCA
キャスト:高田憂希、寿美菜子、茅野愛衣
あらすじ
人に恋する気持ちがわからず悩みを抱える小糸侑は、
中学卒業の時に仲の良い男子に告白された返事をできずにいた。
そんな折に出会った生徒会役員の七海燈子は、誰に告白されても相手のことを好きになれないという。
燈子に共感を覚えた侑は自分の悩みを打ち明けるが、逆に燈子から思わぬ言葉を告げられる──
「私、君のこと好きになりそう」 (公式HRより)
感想
百合ものは好きではない、むしろ苦手である。
どこに、何に、誰に感情移入すればいいかわからなくなるからだ。
そんな僕でも最後までドキドキしながら見れたアニメだった。
OPの映像が印象に残っていて、全体的におとなしい雰囲気。
色使いや演技もくどくなく、物語がスッと自分の中に入っていく。
高田憂希さんの落ち着いたキャラクターの演技も声も好きだ。
なので百合ものではあるが、この作品は好きと言えるし、2期があればいいなと思える作品だった。
・百合であり青春群像劇
ジャンルは紛れもなく百合。事前情報なしで見始めたのでギョッとした。
それでもこのアニメを最後まで見れたのは紛れもなく百合なのだが、人と人とが好きになるということが丁寧に描かれている恋愛アニメであり、また
いろいろな登場人物がいろいろな葛藤をもっていてそれが複雑に絡みあう。
高校生活という密封されたコミュニティ、特に今回は生徒会というさらに狭いコミュニティの中で起きる青春群像劇という側面もあったからだと思う。
完璧(に見える)先輩と誰も好きになれない少女を中心に、
周りが成長なのか停滞なのか、退化なのかいろいろなことを考えいろいろな行動を起こす。そんな青春群像劇だからこそ、この作品は面白かった。
・片思いというズルさ
「先輩はズルい」
作中でも出てくるセリフだが最初から13話の間ずっと先輩はズルい。
人を好きになったことがない少女に、自分のことを好きにならないという安心感から恋をしている。
絶対に両想いにならない、実らない片思いというのは思いのほか居心地がいい。
好きな人がいるからという理由で次の恋を始めなくてもいい。
実らないとわかっているから、振られてもダメージはない。
両想いにならないから、付き合う煩わしさもなく相手のことを究極のところで考えなくていい。
先輩はずっとその片思いのままだし、相手の少女に自分のことを好きにならないように
先回りしたセリフを言う。
そんな先輩にずっと振り回される少女が途中で先輩のこと好きになり一波乱ある展開を予想していたがこの13話の中ではそんなことなかった。
それでも人を好きになることができない少女にいろいろな変化があるのはわかるのだが、
先輩がズルいから素直になれない。
もっと感情が爆発するような展開があればよかったのに。と個人的には思ってしまう。
・最終回のモヤモヤ
そんな理由から、最終回は肩透かしを食らった感じがした。
もうひと山あるだろうと思っていたし、ずっと柱としてあった「生徒会劇」すら完成せずだったので
本当にこれが最終回か?となんどか見直した。
何も解決してないのだ。先輩の問題も少女の中に芽生えた確かな感情も。
全て置き去りで終わってしまった感があったのが残念だ。
悪く言えば13話で語られる物語としては薄いし、良く言えばこの物語の一番面白いところはこの先にあるんだろうと先が気になってしまう。
だからこそ2期を切に希望する終わり方ではある。