朝・日友好の絆育み

京都朝鮮第3初級学校チャリティーコンサート「第6回フレンドシップコンサート in 同志社―チェサミがつなぐ心のきずな―」が3日、京都市上京区にある同志社大学寒梅館ハーディホールで行われ、同校と近隣小学校の児童、保護者などの同胞、日本市民ら約800人が参加した。

文化・芸術活動を通じ民族教育の理解を広げ、朝鮮と日本、アジアの友好親善の輪を広げる目的で始まり6回目を迎えた同コンサートでは、京都第3初級がこれまで交流してきた近隣の日本学校も出演し、日朝友好の絆を深めるさまざまな催しが行われた。また同コンサートは、東日本大震災で被災した東北・福島の朝鮮学校のチャリティーとして行われた。


1部では京都と滋賀の朝鮮初級学校幼稚園児たちの遊戯、京都第3初級の児童たちによる朝鮮舞踊、民族器楽演奏、男声重唱、京都の朝・日大学生が活動する「日朝友好学生の会」によるサムルノリなどが披露され、京都第3初級と交流のある京都市立金閣小学校、京都市立楽只小学校の児童たちも出演した。

普段から3年生が京都第3初級と交流を行っている金閣小学校の児童たちは、合同で「チングテジャ(友だちになろう)」という曲を朝鮮語と日本語で合唱し、観客の拍手喝采を浴びていた。同じく、夏期のプール学習や、給食などで交流のある楽只小学校の児童たちは「よさこい」を披露した。楽只小学校の児童たちは、「今日の公演をとても楽しみにしていた。これを機にまた絆を深めたい」とあいさつした。

また1部では、朝鮮学校について研究する同志社大学のゼミの学生たちが作成した京都第3初級の学校PRや今年、他地方から赴任してきた新任教師の一日を編集した映像が上映された。

一方、2部ではストリートダンスグループの「U―18 B-TRIBE」や在日朝鮮人と日本人アーティストの「融合芸能グループ・親舊達(チングドゥル)」、京都第3初級卒業生でもある朴容光氏が所属するバンド「CENAL(セナル)」、被災した朝鮮学校を支援する南朝鮮の市民団体「モンダンヨンピル」の関係者などが公演を披露し、会場を大いに盛り上げた。

京都第3初級アボジ会の李健新会長は「多くの日本の方々の尽力もあり今年、フレンドシップコンサートが6回目を迎えることができた。日本で暮らすわれわれが民族性を維持するための活動を、どう行っているのか理解してもらうことが本当に大事だと思う。これからもフレンドシップコンサートで育んだ絆を大切にしていきたい」と語った。


和太鼓とチャンゴのコラボ
1部のコンサートの合間に、上映された朝鮮学校を紹介する映像は同志社大学で朝鮮学校について研究しているゼミの学生たちが、このコンサートに向けて今年4月から密着取材し制作したものだ。京都第3初級とは今年で5年目の交流となる同ゼミは、いまだに朝鮮学校が日本社会においてよく知られていないことを今年の研究テーマにして、朝鮮学校の実情をより多くの市民に理解してもらおうと、紹介ビデオを制作することを決めた。

取材をするまでは、自分たち自身もよく知らない世界に入り込むのに多少の不安があったが、何度も朝鮮学校の子どもたちや関係者と顔を合わせる内に、だんだんと心の壁はなくなっていったと、ゼミ生たちは語る。特に心に残ったのは、授業や撮影の合間に児童や園児たちと一緒に遊んだ思い出だと振り返る。

「多くの日本人は『自分たちとは違う』というイメージを持っていると思うが、付き合えば合うほどすごく可愛らしくて、愛情が湧いた」

そうした交流の中で芽生えた親しみが作品にも描かれている。

あるゼミ生は授業中にカメラを回しながら、児童と教員のやりとりを通して距離がぐっと近づいたと実感、日本の学校にはない魅力を感じたそうだ。またあるゼミ生は自分と年も変わらない新任教員の一日を密着取材しながら、朝鮮学校で働く教員の苦労を学んだという。ゼミの学生たちは自分たちが制作した作品にこう期待を寄せる。

「日本の大学生が作ったということで観る人の朝鮮学校に対するイメージがまた変わってくると思う。従来あった固いイメージがなくなり、朝鮮学校に親近感を持ってほしいし、今後も広く活用していってもらえれば」


( 李炯辰 2011-11-21 15:48:30 )朝鮮新報