中国の人権問題などを監視する米議会の特別委員会「中国に関する議会・政府委員会」の最近の報告書で、中国内にいる北朝鮮脱出住民(脱北者)の孤児が最大で10万人に達することが明らかになった。米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が4日に報じた。

 無国籍の脱北者孤児は、主に北朝鮮女性と中国人男性との間に生まれた子どもたち。生まれた後に捨てられたり、脱北者の取り締まりによって両親と離れ離れになった子たちのことを指す。

 報告書は「北朝鮮女性が取り締まりによって本国に強制送還され、子どもたちは父親に捨てられた。子どもたちは、中国当局から市民権の付与を拒否されており教育や医療のサービスを受けることができない」と指摘している。

 また報告書は非政府機関の統計を引用し、「中国内の脱北者の7割が女性で、このうち約90%が人身売買されたと思われる」とした。

 また、中国が昨年、脱北者の取り締まりと強制送還を大幅に強化したことを紹介。昨年9月に北朝鮮と合同で一斉摘発を実施したことも伝えた。

 一方、米議会は今年2月と4月に脱北者孤児の米国への養子入りを推進する法案を発議している。

2011-11-04 11:07
聰合ニュース