朝鮮と日本の女性団体が、運動の歴史を共に学び、朝鮮学校への「高校無償化」適用など、現在の課題への取り組みを再確認しようと「11.2 私たちがつなぐ歴史と未来-日朝女性の友好交流集会」を開いた。(写真)

2日、東京都内のイベントホールで行われた集会には在日本朝鮮民主女性同盟や朝鮮と連帯する日本婦人連絡会、I女性会議など各団体の運動に携わる活動家や地域で朝・日友好のための取り組みに励んでいる女性たち、110余人が参加した。北海道、長崎、兵庫、大阪からの参加者の姿もあった。

来年、女性同盟は結成65周年、I女性会議も50周年を迎える。朝鮮女性と連帯する会は、1974年にI女性会議の代表団が始めて朝鮮を訪問し、その後各地に呼びかけて結成された。この日の集会では、在日女性と日本の女性たちがともに学び合い共通のたたかいを切り開いてきたこれまでの歩みを振り返りながら、次の世代が安心して暮らせる日本とアジアの平和な未来をつくるための課題について語り合った。

集会では社民党副党首の又市征治参院議員が来賓のあいさつを行った。

続いて東京日朝の集い世話人の重藤都さんの司会でシンポジウムが行われ、朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会の清水澄子代表、女性同盟中央の金永愛顧問が発言した。

清水代表は、朝鮮女性と連帯する会の結成と、そのひろがり、連帯する会が取り組んだ活動について述べた。特に90年代前半、北南朝鮮と日本の女性で「アジアの平和と女性の役割」シンポジウムを東京、ソウル、平壌で開催した当時の逸話は、集会参加者たちの耳目を集めた。清水代表は、「私たちが求め続けてきた日朝国交正常化は進まず、来年2012年は日朝平壌宣言10周年を迎える」としながら、日本の過去清算がなされていないことが、現在の朝鮮敵視政策と在日朝鮮人に対するいわれなき人権抑圧政策を許している最大の原因だと指摘した。そして日朝女性の友好と連帯の運動が日本の植民地主義の克服という共通の課題にとりくみ、日朝関係史をつくり変えることを目標にさらに前進しなければならないと強調した。

金顧問は、祖国解放から今日にいたる在日朝鮮人運動と女性同盟の活動の歴史について語った。同胞女性の意識改革と民族教育に力を注ぎ、日本の女性たちと連帯しながら民族権利獲得のための運動を展開してきた日々を振り返りながら、「現在の運動も、60余年前の運動と本質は変わらない。在日朝鮮人に対する日本当局の差別的施政が何ら変わることがなかったためだ」と述べた。そして祖国の統一を願う在日同胞の心情を語り、「朝鮮の統一は朝鮮民族だけの問題でけではく、日本とアジアの平和につらなる問題」であることを強調し、朝・日女性が連帯の絆を一層強めていこうと訴えた。

集会では、日本各地で行われている運動の経験や今後、解決していくべき課題などについて発言があった。朝鮮学校神奈川オモニ会連絡会の孔連順代表は民族教育と「高校無償化」問題について、兵庫朝鮮学校を支える女性たちの会の山村ちずえ会長は、阪神淡路大震災で被災した朝鮮学校に対する支援活動の経験を話した。NPO法人コリアンネット愛知の申美貴理事長は同胞高齢者の福祉問題について、I女性会議大阪の永久睦子代表は日朝国交正常化を求める活動について発言した。

これまでの運動の歴史に学び、連帯運動拡大の決意をあらたにした参加者たちは、集会の最後に「リムジン河」の歌を、朝鮮語と日本語で力強く合唱した。


( 金志永 2011-11-04 16:00:36 )朝鮮新報