7月18日、中国の新疆ウイグル自治区のホータンで事件が起こりました。中国政府は、「ウイグル族を中心とする分離独立主義者による組織的なテロ攻撃」と報じました。

 私は、この報道を真っ向から否定する、日本ウイグル協会会長のイリハム・マハムティさんに話を聞きました。イリハムさんは、「真相は100人以上が参加したウイグル人の平和的なデモ行進を、中国当局の武装警察が徹底的に鎮圧し、少なくとも20人が殺害された」と語ります。

 ウイグルは、2年前にも同じ経験をしています。一昨年6月、中国国内で働くウイグル人が、中国の労働者に襲撃され、殺されました。この事件の正当な処置を求め、同年7月5日、ウイグルのウルムチで学生が平和的なデモを行ったところ、突然、武装警察が発砲し、彼らを虐殺したのです。

 中国政府は9・11以降、「ウイグル人=テロリスト」の構図をつくり、弾圧を繰り返しています。資源豊富なウイグルの土地を奪い、定住し、例えばイリハムさんの故郷クルムでは、既に中国移民の割合は人口の8割近くに上っているそうです。ウイグル語で授業を行う学校はもはや存在せず、小学校では、母国語を外国語の一つとして週に2、3回習うだけです。

 また、ウイグルではイスラム教が信仰されていますが、イリハムさんによると、中国政府は、イスラム教徒にとって大切なラマダン(断食)中に食事を強要するといいます。職場で昼食を出され、食べなかった場合、翌日から仕事を失います。定年退職者の家には御馳走が運ばれ、食べないでいると、翌月から年金が止められます。

 イリハムさんは、「中国政府は、こうして私たちから宗教を切り離す。このままでは、言語も文化も宗教も抹消される。人種的にも文化的にもウイグルが存続できるかどうかの戦いをしている」と言います。

 どんなに経済発展をしても、中国は共産党の一党独裁であり、平気で非人道的な行為をする国です。東アジアでの中心的な役割を担うのは、民主主義国家である日本しかないことを、再確認しました。その意味で日本は一日も早く復興を遂げ、繁栄を求め、世界のリーダーとしての使命を果たしていくべきです。(幸福実現党女性局長・竜の口法子)ZAKZAK