午後からは、日弁連の人権大会に。
シンポジウム「あらためて問う『犯罪被害者の権利』とは~誰もが等しく充実した支援を受けられる社会へ~」に出席してきました。
その中で、北欧諸国の被害者支援についての調査報告がありました。
ノルウェーとスウェーデンには、国の機関として、犯罪被害者庁が設置されています。
ノルウェーの機関の正式名称は、暴力犯罪補償庁とされ、暴力犯罪の被害者への補償金支給、情報提供、出廷サポートなどが主な業務とされています。
補償金の年間支給額は、50億程度ということで、人口500万人規模の国としては、かなり手厚いものです。日本の犯罪被害者給付金は、年間8億程度ということで、その差は歴然です。
補償の後には、国(回収庁)が、加害者に求償するということで、マイナンバー制度のようなものを背景に、それなりの回収率となっているようです。
全国に14か所の国立の地方事務所もあり、専門の職員が支援にあたっているようです。
ノルウェーでは2003年、スウェーデンでは1994年に設置されたということで、それほど歴史は古くありません。
報告では、犯罪被害者庁を作る意義として、①被害者支援の司令塔の必要性(縦割り行政の弊害)、②地域格差のない、等しく充実した支援、③国として被害者支援を手厚く行うという明確なメッセージとなる、が説明されました。
シンポジウムでは、被害者のことを他人事ではなく、自分事として考えていこうという話が、何度も出ていました。
まさにそのとおりです。が、人というのはその立場にならないと、なかなか理解ができないこともあります。
まず、犯罪被害者庁をつくる、ということから始めるということで、政治家の皆さんいかがでしょうか。