霊仙山に登った道にはたくさんの「柏餅の葉」があった。(私たちの地方では南天シバの葉を柏餅の葉に使っている)

 卓球の友達に庭に生えているその葉をもらっていたけれど、柏餅が7,8個しか作れない。少ないので、どうしようかなと思っていた時だった。でも、柏餅の粉は買ってきた。

 そして登った道々、目についてしょうがない葉。すでに使える大きさだった。帰り道にはきっと摘んで帰ろうと思っていた。ところどころに小さなその苗も生えていたので、卓友の庭のようにうちにも植えようかと思い、抜いてみた。しっかり根が張ってちょっとやそっとでは抜けない。シャベルを持ってこないとねと諦めた。

 帰りに寄った「菜菜(再々)来てや」(農協の野菜直販店)で、買ったのは「餡」

 翌日柏餅つくりに取り掛かった。葉を数えると33個分あった。どうしようそんなに食べられない。友人にもらってもらわねばと、届け先をいろいろ考えた。

        

 あんこを丸めると24個あった。えー、それなら届け先を減らさねば・・・

 餅粉をまとめると21個。丸める間に届け先や届ける個数を減らしていった。

     

で、結局21個しか作れなかった。

 母ならどうするかな。餡は小豆から煮るだろう。(1日かかるし、手間も大変)

いつかの母。ぼた餅が食べたいと言ったので「どこで買う?」と聞いたら「作る」と言う。そして小豆から炊いていた。食べられたのは翌日だった。

 そんなことを思い出しながら作った。手作りのジャムなどもらう近所の知り合いに、いつも野菜をもらう友人に。卓友に。昼から出かけるお稽古の先生に。そして2人の妹に。味見程度に届けた。我が家には少し残して。

 末妹から返事「おいしかった。柏餅の葉なら死ぬほどあるよ!」

 そうだった!彼女が住む実家には母が植えた本当の「柏」の木が植えてあるんだった!