夫が古い葉書を出してきた。亡くなった夫の長姉からだった。

どちらが生まれるか男の子でも女の子でもいいよね…などと優しい暑中見舞いだった。まだ次男がおなかにいたころのこと。

 待てよと、そのころ彼女の訃報を聞いたよ!?消印を見ると昭和49年8月8日だった。松山に住む姪に電話をして確かめた。「お母さんの命日はいつ?」

「昭和49年の8月8日だよ」と言う返事。

 夫の長姉が亡くなったという連絡を受けて夫は松山へ急いだ。臨月間近だった私は松山には行かれなかった。

あの時だ!

 夜中に心臓発作を起こして亡くなっていた義姉。前日にこのはがきを投函していたのだ。だから8月8日の消印なんだ!

 ブラジルから帰ってきている甥っ子は「母の命日は忘れた8月?日」と言っていたけれど…このはがきを見せたら驚くだろうな。

 私たちもその奇遇に驚いた。よくぞこのはがきを保存してくれていたものだ。