ドーハで乗り換え。3時間で搭乗ゲートを探さねばならない。飛行機を降りて乗り換え口を探した。ゲートは?と、搭乗券を見せたらC21と教えてくれた。荷物検査をしてそのゲートを探す。何番ゲートとを聞くのに2人、ゲートまで行く方法を聞くのに1人。広い!なかなか見つからない。C21へ行くには電車に乗らなければならないということが分かって驚いた。えーそんなに広いの!一駅で降りる。そしてまた21,23とかいう文字を探しながら歩いた。ようやく見つけたときは1時間経っていた。

 そこで小柄なアジア人の婦人に出会った。

義姉が熱心に話しかけるのだけど言葉が通じない。英語で話しかけても通じない。メモに、日本、東京、北京、上海、と書いていくと「うん、うん」と肯くのだけど、言葉は発しない。あきらめて交流をやめようと思ったときに「巴西」と言う字を書いた。そういう国だと分かったけれどどこかは分からない。日本に帰って調べてみようと思った。

 サンパウロの甥っ子の長女のマンションに行ったときの事。エレベーターに乗るとこんな張り紙がしていた。「2018年くらいにされた張り紙なのにまだあるのよ」と彼女が言う。「巴西」ってどういう意味?と聞くと「ブラジルと言う意味なのよ」

         

 やっと謎が解けた。彼女はブラジル人と言うことを言いたかったのか!と。

この中国語はなんて書いてあるのと聞くと「水不足だからあまり水を使いすぎないようにと言う意味らしい」と教えてくれた。

私は、「巴西」と言う意味が分かったのでドーハ以来こだわっていたことが解決してよかったと思った。でも、なんでエレベーターの中にこんな張り紙が?

 日本人とブラジル人、中国人がこのマンションに住んでいるので、注意書きやお知らせは3つの言葉で書いて張り紙するとのこと。もう一つの張り紙があった。

       

「廊下に物を置かないで」と言う意味の張り紙らしい。なるほどね!3つの言語!

 私は言葉の意味が分かったし、ドーハで出会った中国人の彼女がブラジル人としてこの国にいるんだと思ったので「解決」と思っていたが、義姉は日本に帰るまで、その女性の事を気にしていた。

「ちゃんとブラジルに着いたかしら?」「サンパウロにいるのか知らねえ。また会えないかしら」

 ドーハで飛行機を待っているときに隣の席に座ったその人に話しかけたのは義姉だったから気になるんだろうなあ。