ぽんぽこ山のタヌキは冬になるとよく見かける。夜7時頃、今日は出会えるかなと、毎晩楽しみにして出かける。
1匹、2匹、私たちの車に出会うと、ひょこひょこと、ころころしたおしりを見せて逃げる。雨上がりの日が出会えることが多いと私は期待しているのだが夫はそんなことないという。
私は、新美南吉の「ごんぎつね」を思い出して雨上がりの日・・・と連想しているのだ。(関係ないかー)
多いときには6匹出会えた。
狸の環境、(森の木が倒され、太陽光発電の土地になったり、工場の拡張で、原っぱになったり)が変わっているので「たぬちゃん達生きていかれるかしら」と心配している。

去年、道路で狸が死んでいた。
死骸が片付けられない日が2日続いた。2日とも夜になるとその周囲に狸が見え隠れしていた。それも2,3匹。
死んだ狸を痛むか、心配しているかのように。でもまーそんなことないかーとも思った。親が子を心配しているのか、子が親を失って、その周りをうろうろしているのか・・・・

昨夜、同じような場所で狸が車にひかれていた。私たちが通ったのはその直後だったのだろう。道路に死体と血が散らばってしていた。その周りに狸が3匹いた。1匹は死体のすぐそばに、もう1匹は道路の反対側に、そしてもう1ぴきは藪の陰にいた。
家族が悲しんでいるのだろうか。とにかく、死を悲しんでいるように見えた。
そして思った。狸も死者(?)を悼む気持ちがあるのだろうと。
明日の朝、また来てみよう。死骸を片付けてやらねばと思った。9時過ぎているので、もう車はほとんど通らないから。

次の日の朝6じはんごろそこに行ってみると死骸はきれいに片付けあれていた。道路の前の人が片付けたのだろうか。(前の時は月曜に市の人が来て片付けたみたいだったけれど。)
夫も見に行っていた。
ちゃんと片付けてあげる人がいたんだ。少し救われた気持ちになった。

夜7時と9時頃いつも通る道。狸と出会う道。もう悲しい思いをしないですむといいなー。