教員によるわいせつ行為や飲酒運転などが相次いだことを受け、県教委は初めて不祥事防止のためのガイドラインをまとめ、8月末に各校に配った。ただ、教員からは「現場の実態に即していない」との声も上がる。

 

 ガイドラインは、勤務時間外や職務外でも不適切な行為は規制の対象と改めて指摘。「24時間、365日、公務員であることを忘れずに」と記している。

 

 「セクハラ対策」として「性に関する言動の受け止め方には個人間で差がある」「保護者や卒業生との関係にも注意する」などと注意を喚起。校内に「セクハラ防止委員会」を設置するなどの態勢作りや、校内の死角の把握、校内巡視など防止策を求めた。

 

 被害が起きてしまった場合は「先入観を持たずに(関係者から)話を聞く」「被害を受けた子供のプライバシーを守る」ことなどに留意しながら、複数人で事実を確認するように規定している。

 

 飲酒運転対策の項では、過去に検挙された教員が「これくらい(の酒量)なら大丈夫」「時間がたったから大丈夫」と考えて運転していたことを紹介し、「原則、懲戒免職が適用される。家族の人生も台なしにしてしまう」と、強い表現で戒めている。

 

 ただ、現場からは、特に「セクハラ」について戸惑いの声も聞かれる。

 

 甲府市立小学校の40代の男性教諭はガイドラインについて「抑止効果はあるだろう」と話す一方、「例えば、運動会の組体操で子供の体を支える時も『セクハラ』が頭をよぎる。あまり細かく締め付けられては指導しにくい」と指摘する。

 

 また、ガイドラインには「児童・生徒への個別指導は事前に上司、保護者に説明すること」と定められているが、教諭は「個別指導は時間がない時に突発的に行うことが多い。実態を反映していない」と批判する。

 

 県内では昨年、女子トイレに盗撮目的で侵入した中学校の男性教諭が建造物侵入容疑などで逮捕され、今年6月には小学校の男性教諭が女子児童にわいせつ行為をしたとして、いずれも懲戒免職処分となった。また、8


 月には支援学校の男性教諭が酒気帯び運転容疑で逮捕され、懲戒免職処分となった。

◇ 県教委が示したセクハラになり得る行動の例 ◇

スリーサイズを聞くなど容姿を話題にすること

異性関係で冗談を言うこと

執ように身体を眺め回すこと

身体に不必要に接触すること

食事やデートにしつこく誘うこと

不必要な電話やメールをすること

更衣中の教室に「着替えが遅い」と言って入ること

人目のつかない部屋、場所に呼び出すこと


<毎日新聞>


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