奈良市の仲川げん市長(33)が11日の市議会本会議中、議場でガムやアメを口にしながら答弁し、終了後に山本清議長に口頭で注意されていたことが分かった。仲川市長は「のどをうるおすためだった」と謝罪したという。仲川市長にとっては就任後初の定例議会だった。

 この日は一般質問があり、仲川市長がガムやのどアメなどを口に含みながら答弁しているのを複数の市議が目撃。市議から話を聞いた山本議長が仲川市長らを呼んで確認したところ、仲川市長は事実を認めた。取材に対しても「せき込んで議会を中断させてはいけないと思った。今後は水をたくさん置くなどして代用したい」と話している。

 山本議長は「全国で2番目に若い市長として市民の期待も大きい。議会の権威を損なうようなことは慎んでほしい」と苦言を呈した。

 同市議会は会議規則で市議の行動について「議員は議会の品位を重んじなければならない」と規定。議場での傍聴規則でも「傍聴人は飲食・喫煙してはならない」としている。説明者として出席する市長ら理事者の行動を定めた規則はないが、ある市職員は「仕事中にガムを食べること自体、信じられない。規則で定める以前の問題だ」と苦り切った。

 仲川市長は7月12日の市長選で民主の推薦を受け初当選。今月10日の本会議の代表質問では、副市長への質問に勘違いして答弁し、市職員が慌てて止めに入った。予定外の質問に対し答弁がストップした場面もあった。


<毎日新聞>