福島医大の大学院生による覚せい剤取締法違反(使用)事件で、大学は逮捕された福島市の同大大学院医学研究科2年、吉野勝治容疑者(28)が過去にも同法違反で摘発された事実を把握した上で、大学院への入学を許可していたことが11日、分かった。


 大学によると、吉野容疑者が最初の摘発で執行猶予付き有罪判決を受けた後の平成19年12月ごろ、吉野容疑者から大学関係者に大学院受験の相談があった。


 大学側は吉野容疑者と面談し、薬物を2度と使用しない覚悟があるかなど意思確認をした上で受験を認めた。


 大学は「薬物使用による逮捕歴などは大学院の受験資格の制限事項に該当せず、本学卒業生である吉野容疑者の更生を支援する考えだった」としている。


 入学させた後は、教員らが吉野容疑者を見守り注意を払っていたという。


 大学は今後、受験資格の見直しなどを検討する方針。


 大学は今後、薬物使用に関する全学調査を行う方向で検討に入った。


 調査方法など詳細は今後詰める。


<福島放送>



執行猶予期間中に大学院に入学 大学側 「更生させようと」


 覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで警視庁渋谷署に逮捕された福島医大大学院医学研究科2年の吉野勝治容疑者(28)=福島市=が以前にも同法違反で有罪判決を受け、執行猶予期間中だったことを把握した上で、昨年4月に吉野容疑者の入学を認めていたことが11日、同医大への取材で分かった。同医大学生課は「更生させようと思い入学させた。今回の逮捕は残念で、大学としても申し訳なく思う」と話している。
 

 厚生労働省によると、吉野容疑者は同医大卒業後に研修医として東京都の病院に勤務していた2007(平成19)年7月、新宿区のホテルで覚せい剤を使用したとして逮捕、起訴され、同10月、東京地裁で懲役1年6月、執行猶予3年の判決を受けた。また昨年10月から2年間、医業(医師免許)停止の行政処分を受けていた。
 

 同医大は吉野容疑者の入学を認めた後、一部の教員に判決について説明し、吉野容疑者が再び覚せい剤に手を出さないよう注意するよう指示したほか、更生の妨げにならないよう課題の数を減らすなど配慮していたという。同医大には執行猶予期間中の入学希望者の扱いについて明確な取り決めはないが、事件を受け、入学資格の見直しも検討したいとしている。

全学生に薬物調査実施へ
 

 同医大は、覚せい剤の使用の有無などについて、全学生を対象としたアンケートなど何らかの方法で調査を早急に行う方針。


<福島民友ニュ-ス>