千代田区が景気刺激の一環として実施している金券カード事業で、業務委託している財団法人の男性職員(23)が使用済みカードを不正に使用し少なくとも13万1千円分の私的な買い物をしていたことが分かり、11日、同区が発表した。

 

 同区は生活支援策として今年5月から年末までの期間中、加盟店で買い物をすると500円ごとにスタンプ1個をもらえ、20個集まれば1千円の金券として使えるカードを区民1人5枚(18歳未満と65歳以上は6枚)配布。カードの管理を区が出資する財団法人「まちみらい千代田」に委託していた。

 

 男性職員は店から回収した使用済みカードの管理を担当していた立場を悪用し、使用済みを示す店の押印が不鮮明なものを盗んで再利用。判明しているだけで13万1千円を11店舗で使用したほか、未使用のカード428枚を自宅に保管していた。区の事情聴取に対し、「携帯音楽プレーヤーやDVDを購入したり飲食費に使ったりした」と認め、「15万円くらい使った。破って捨てたものもある」と話しているという。

 

 職員は今年4月に採用された新人の非常勤職員で、動機については「仕事で注意されたことでムシャクシャし、気が動転していた」などと説明。すでに辞職願を出しており、同法人は懲戒解雇の予定という。

 

 石川雅巳区長は「誠に遺憾で、関係職員を厳正に処分させる。区も指導監督に努める」とコメントした。


<産経新聞>