千葉県で発覚した総額30億円に上る不正経理問題で、県内の全39署を含む県警や財務を監査する県監査委員事務局、会計をつかさどる県出納局でも不正経理があったことが10日、県や県警への取材でわかった。

 不正額は県警だけで約1億4000万円に上り、公金支出に対するチェック機能の甘さが浮き彫りになった。

 県警によると、不正経理は本部を含め全95部署のうち80部署で確認された。警察署では、代金を支払う前に納品してもらったり、先に支払った後に年度をまたいで納品されたりするケースが多かった。

 県によると、監査委員事務局でも、同様の手口で25万1000円分のコピー用紙を納入していたことが判明。担当者は「各課から回ってくる大量の資料をコピーしなければならず、仕方なかった」と説明している。

 出納局では2003年度、書庫(5万2500円)とタクシークーポン券(3万円分)を架空の支払伝票を使って購入していた。伝票は3年の保存期間を過ぎ、すでに処分されていたが、業者側が提出した帳簿から不正が判明した。出納局は各部署から届く支払伝票を審査しており、同局幹部は「6年前とは言え、驚いた」と困惑気味に話した。

<読売新聞>