山口県周南市の徳山工業高等専門学校で2006年8月、5年の女子学生(当時20歳)が殺害された事件で、発生後に遺体を目撃するなどした女性教職員2人が、事件がきっかけで心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、徳山労働基準監督署に労災を申請し、認定を受けていたことが分かった。

 事件は06年8月28日、同校の研究室で女子学生が殺害されているのが見つかった。同県警は、同級の男子学生(同19歳)が、ひもで首を絞めるなどして殺害したとみて行方を追っていたところ、男子学生は10日後の9月7日、同県下松市内の山中で自殺しているのが見つかった。県警は同年10月、男子学生を殺人、強姦(ごうかん)致死容疑で容疑者死亡のまま山口地検に書類送検し、同地検は不起訴処分にした。

 同校によると、労災認定を受けたのは40歳代の女性教員と20歳代の女性職員で、いずれも研究室で遺体を目撃した。事件直後から体調を崩してPTSDと診断され、06年に労災申請したという。

<読売新聞>