厚生労働省は31日、有料老人ホームとみられるのに法が義務付ける都道府県への届け出がない施設が27日時点で32都府県で579施設に上ると発表した。半数以上が関東地方に集中。同省老健局は「首都圏は正規の施設が不足しており、無届け施設が受け皿となっている」と分析している。 

 群馬県渋川市で起きた老人施設火災を受けて緊急調査した。2007年2月の前回調査では377施設で、約2年で約1.5倍に増えた。 

 老人福祉法は高齢者が入居し、食事や介護、健康管理などを提供する施設を「有料老人ホーム」と定義している。都道府県を通じ、無届け施設数を集計したところ、前回調査では3施設しかなかった東京が103施設で最多だった。都は「今回は、(届け出が不要な)高齢者共同住宅と言い張り、協議に応じない施設も無届けとみなしたため、数が膨らんだ」と説明している。

<日本経済新聞>