銚子市立総合病院の診療休止をめぐり、岡野俊昭市長(63)の失職が決まったリコール(解職請求)住民投票から一夜明けた30日、銚子市役所では大きな混乱もなく、窓口業務などの市民サービスは通常通り行われた。しかし市長不在で、病院の再開時期が遅れるのは必至な情勢だ。

 

 市は30日、50日以内に控えた出直し市長選までを「非常事態」とし、幹部職員らが臨時会議で対応を検討。地方自治法に基づき市長職務代理者に就任した合六(ごうろく)司副市長(62)は「市民サービスなどに影響が出ないよう、危機意識を持ち職員一丸で乗り越えたい」と職員らに訓示した。

 

 合六職務代理者は、公設民営での病院再開の見通しについて「指定管理者選定委員会や応募法人と協議する必要がある」とし、出直し市長選の動向次第では選定委の存続自体も含めて検討することになるとした。

 

 このため4月末の予定だった応募法人の審査は延期される見込み。指定管理者の指定は市議会の承認も必要なため、「募集要項で再開期限とした9月末までの診療再開は難しい」(市幹部)としている。

 

 岡野市長の解職の賛否を問う住民投票の結果は、賛成2万958票、反対1万1590票。当日有権者数は5万9804人、投票率は56・32%だった。


<産経新聞>