終演 「雅道の友垣in宮城」 | 山下横笛教室

山下横笛教室

宮城県在住の横笛奏者、山下進です。
こちらでは日本の横笛、教室についてお知らせしていきます。

17日、名取市文化会館で行なわれた「雅道の友垣in宮城」、

無事に終了しました。

 

 

 

 

 

 

前日のリハーサルに続き、本番当日は10時集合で、

会場の準備や最後のリハーサルを行ない、本番です。

 

 

リハーサルの時はそれでも無かったのですが、

やはり装束を着て舞台に出ると緊張がありました。

 

今回は今までに無かった、なるべく「暗譜」というのが

大きかったと思います。

 

 

 

 

本番が始まり最初の演目は「越天楽」、雅楽・雅楽器の

紹介をはさんで「越天楽残楽三返」、こちらは出番で無かったので

自分は楽屋で待機です。

 

やっぱり舞台の整った状態でみる演奏は雰囲気もあって良いですよね。

 

 

 
 

 

 

その次の舞楽「青海波」、ここから出番です。

 

この日最初の演奏ということもあり、緊張しました。

 

 
 

今回の演目の中で自分的には初めて演奏をする「青海波」、

暗譜しきれなかったところがあるので、譜面をコピーしたものを

準備して足下に置いたのですが、全部見ながら演奏するのもなと、

なるべく見ないようにしたのですが、それが徒となってかなり間違えて

しまいました(苦笑)。

 

もうちょっと時間があったらと、悔いの残った曲になりました。

有名な曲でもあるので、これからも練習を続けて暗譜したいと

思います。

 

 

 

次は舞楽「還城楽」です。

この曲は宮城野雅楽会が主になって行なうということで、

一番練習した曲です。

宮城野雅楽会の持ち曲ともなるので、今後も練習を続けたいと思います。

 

 

 

 

 

 

次の演目は林家舞楽さんによる「陵王」、「納曽利」です。

当日はゆっくり見れなかったので、後でオンデマンド配信の

動画で観ました。

 

面は時代の違いにより多少違いがありますが、同じ装束をつけて

舞います。

それでも舞の型も違いますし、全く別の曲のように感じます。

平安時代に行なわれた楽制改革を経て残ったものと、

楽制改革の影響を受けずに地方に伝わったものと、

こんなにも変わってしまうものかと。

その辺をみると、やはり林家舞楽はとても貴重なものなのだと

感じました。

 

演奏の方は、先の戦の影響で笙と篳篥が継承出来なくなり、

今は打ち物と龍笛のみでの演奏とのことです。

今になっては仕方のないことですが、笙と篳篥が入っていた頃は

どんなものだったのだろうと思ってしまいます。

と、残念に思うこともありますが、それでも一子相伝で継承されてこられた

林家舞楽は素晴らしいです。

 

 

現状をみると、別に雅楽に限ったことではありませんが、

各地の伝統芸能、郷土芸能も同じく継承問題は大きいです。

それでも何とか残り継承されているところは、伝統芸能、郷土芸能に

誇りを持ち、当たり前のように継承しなければならないという想いが

あります。

次の世代に継承が難しく絶えてしまうところは、次の担い手不足、

堅苦しい決め事、仕来りをいつまでも通している、というところでしょうか。

 

残念なことだと思いますが、絶えてしまう、というのも

大きくみれば自然なことなのでしょうか。

 

おっと、横にそれてきました(汗)

 

 

 

 

林家舞楽さんの後は舞楽「陵王」です。

この曲は結構演奏するので、暗譜しています。

ただ、一具としてみると、小乱声(こらんじょう)の後に

演奏する「陵王乱声(りょうおうらんじょう)」が自分の中では

「安摩乱声(あまらんじょう)」より簡単のようで暗譜しにくいというか。

今回の機会に暗譜しました。

 

この曲は個人的に思い出に残る曲でもあるので、久しぶりに演奏出来て

嬉しかったです。

 

 

 

 

 
 
 
 

そして最後の曲、「長慶子」。

これも今回の機会で何とか暗譜出来たようです。

 

 

 

今回、生徒さんをはじめお世話になっている方々に足を運んで頂いて、

公演を終えた後に嬉しいご感想を頂いたので、いくつか紹介させて

頂きたいと思います。

 

「迫力に圧倒されました。前の方に座りました。舞人の息づかいも感じられました。

パンフレットも本格的な仕上がりで驚きました。関係者の方々は準備から本番まで

大変な労力ですね。」

 

「本当に素晴らしい演奏会でした!このお値段で良いのかしらというくらい、

大変盛りだくさんの内容でした。普段は決して見られない演目で、皆さん大満足

されたことと思います。反響が大きかったのではないでしょうか。あれだけ沢山の

演奏者の方による演奏は初めてでしたので、本当に圧巻でした!鳥肌が立ちました。」

 

「お疲れ様でした、なかなか良かったですよ!最後はなかなか迫力ありましたね!」

 

「はじめて生で鑑賞出来て驚きでした。古来の伝統芸能でその時代の空間にいるかのような

不思議な感覚を体感できました。」

 

「今までにない感じの雰囲気でしたね。大太鼓の迫力と舞の動きの調和が感動的でした!」

 

 

 

 

今回の公演は東北ではなかなか行なわれない内容と規模ということもあり、

観に来て頂けた方には本当に良かったと思います。

 

自分の今回の感想としては、一番は宮城野雅楽会結成25周年の年に、

こうして大きな公演が行なわれ、参加させて頂けたこと、本当に有り難く思います。

これからも演奏の機会が沢山ありますように。

 

おかげさまで、ありがとうございます。

 

 

お越し頂いた皆様、

雅楽道友会の皆様、

宮城野雅楽会の皆様、

青楽会神遊の皆様、

林家舞楽の皆様、

舞台関係者の皆様、

 

本当にありがとうございました。

 

 

また次の機会を楽しみにしています。

 

 

 
 

 

「雅道の友垣in宮城」

と き:2022年11月17日(木)

ばしょ:名取市文化会館 大ホール

演 目:管絃「越天楽」、「越天楽残楽三返」

    管絃舞楽「青海波」

    舞楽「還城楽」

    林家舞楽「陵王」、「納曽利」

    舞楽「陵王」

    「長慶子」

 

 

 

 

 

 

あとがき

朝早くに自宅を出発してから長い一日となりましたが、

終わってみると、なんて言うんでしょうね、あっという間で。

それでも久しぶりの大きな演奏会だったので、興奮覚めやらず暫く余韻に浸っていました。

 

公演が終わった後、お客様をお見送りしてから舞台の撤収。

人数が多いということもありますが、あっという間に撤収作業も終わり、

その撤収された後のステージを見ると、本当にここで行なわれたのだろうかと

思ってしまうほど名残惜しいというか・・・。

 

何度も繰り返しになりますが、今回の公演に参加させて頂けたことは

本当に有り難いと思っています。

そして、今回の規模はなかなか難しいと思いますが、これからも演奏の

機会は沢山あったら良いなと感じました。

 

他にも色々感じたことはありましたが、今後の演奏会への課題と考えれば

次に繋がるので良いかな。

 

 

それから、「雅道の友垣in宮城」を迎える前に、笛の生徒さんから

今回の公演に繋がる本を見つけたということをお聞きしました。

おもしろそうだったので、自分もその本を中古で入手して読んでみました。

その本の中で一番に感じたのは「舞楽の本質は鎮魂」という言葉です。

これまでの歴史上のことでの言葉になりますけど、そういうものなんだと

舞楽に対する印象は多少なり変わりました。

今回のような舞台での舞楽はとても雅で華やかに見えたりしますが、

鎮魂という意味合いのものであるということを知ると、

また感じ方も変わるでしょうか。

 

時代を経て多少形が変わったり、中には絶えてしまったものもありながらも、

今日まで継承されている伝統芸能は本当に素晴らしいです。

これからも精進したいと思います。

 

 

今回の相棒「鈴木直人」作の笛