入院中に聴き込んでいたアプリ、Spotify。


入院中...皆さんが色々言及していただいた通り、何も対策を打たなければ、入院中は暇を持て余すことになる。入院前に色々と対策を考えていたが、最終的に行使した対策は「徹底して音楽を聴く」。1日数時間は、音楽を聴いて過ごした。ただボケッと聴くのではない。一曲一曲、グッと掘って聴くのだ。そうでなければ、私にとって音楽を聴く意味がない。

 

最初はYouTubeでのサーフィンを考えていたが、途中、思いついた。そうだ、Spotifyで音楽を聴こうと。


Spotifyについては、度々共演させてもらっているゆきさん(vo)から、以前に教えてもらっていた。教えてもらった当初は使い方が要領を得ず、インストールしっぱなであったが、ちょっと使い方を研究した。何故Spotifyかと言うと、Spotifyは音源だけであること、病院の通信環境が何と4Gだったので、映像を伴うYouTubeを観て1カ月の通信量を食いたくなかったからだ(後から1GBを千円で買うのも...と思ったので)。

 

Spotifyでは、私が愛して止まないJazz (Spotifyでは何と「Jazz Classic」と分類されていて悲しかった)も勿論聴いたが、Jazz以外の普段聴かない音楽も丁寧に一曲一曲聴いていった。Funk、Soul(Spotifyは、20世紀に生まれた音楽は、何でもかんでも「〜Classic」とClassicを付ける。例えば、Funk Soul Classicとか。私にとっては、つい昨日の音楽なのに)のような音楽もそうだし、最近の若い人たちが演奏しているClub Jazz、Rare Groove等の音楽(Spotifyは、21世紀の音楽には格好いい名前を付けている。例えば「Jazztronica」とか、「Global Funk」とか)も丁寧に聴き込んだ。

 

Club Jazz等、若い人たちが演奏している音楽は、一言でセンスが斬新である。何て言うのかなぁ…20世紀の音楽のように、「重たく」ない。あっさりと言えばあっさり、演っている。一曲のサイズも4〜5分台で、6分台以上の曲はそんなにないようだ。昔のJazzのように1曲でLP片面が潰れるようなサイズ(20分台)※の演奏を至高と思ってしまう私からすれば、拍子抜けする。

 

※エレクトリック時代のMiles Davis(tp)、フリージャズに傾倒した死の2年前からのJohn Coltrane(ts)、ソロ・ピアノのライブ作品を連発していた70年代のKeith Jarrett(pf)、フリージャズを演奏していた70年代初頭のChick Corea(pf)など、長尺の作品を発表していたJazz Musicianは枚挙にいとまがない。

 

Club Jazz系の音楽は、どうもグループ名義で作品を発表している人たちが多い印象を受けた。格好良く言えばチーム・プレイ、組織・集団重視と言うか。言い方を変えれば、個人のプレイの水準も当然ながら恐ろしく高いのだけど、個がそんな目立たないと言うか。この辺りも、Spotifyで言う「Jazz Classic」をこよなく愛する私からすれば、隔世の感を受けた。20世紀のジャズ、特に5〜60年代は個人・個性を強調した作品が多く、またそれが評価されていた時代だし、グループ物の作品はジャズの世界では一段評価が劣っていた気がする。従って、グループ名義の作品が多い印象を受ける21世紀のClub Jazz系の音楽に、かなりの違和感を禁じ得ないのも事実であった。

 

入院中に聴いたClub Jazz系の音楽は、以下のとおり:

HOWES3 "Too Many Kicks"

KOKOROKO "Carry Me Home"

Laurent Bardainne "Porsche 944"

Web Web "Kings of Forbidden Lands"

Nautilus "Ain't No Sunshine - Cover"

Surprise Chef "All News Is Good News"

Florian Pellissier Quintet "Coup de foudre a Thessalonique"(これは個人名義ですね)

Bande-Gamboa "Festa na Praia"

The Brooks "Turn up the Sound"

Djosa "Amazone"

 

Spotifyというアプリ、所謂DJ Mix※のようにアプリ側で選曲をして繋いで流していくスタイルのようで、自発的に選曲という感じではなさそうだ。この辺の音楽も結局は、個々に作品を買い込んでじっくり聴き込んでいく作業が必要だ。こういう取り組みを掘り下げていくと、自分はミュージシャンなのかDJなのか判らなくなってきますね。


※Spotifyで選曲してMixしているのは多分DJ?こんな大量の音楽を熟知して、組み合わせることができるのは、DJしかいないだろう。