伝統の味 昔おでん 東京の味
 
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住 所  東京都台東区浅草2-32-11
TEL  03-3841-3192
営業時間 17:00~21:30
定休日  日曜、祝日
 
 
 浅草は、意外に寂しい。日が暮れると、日中の喧噪が、すーと引く。
 
 灯りが照らされ、荘厳な雰囲気漂う「浅草寺」にお参りし、今宵向かうは“東京おでん”の老舗「丸太ごうし」さん。
 
 店内に入ると、醤油とダシのいい臭い六ツ仕切りおでん鍋から湯気を上げるおでん種真ん前のカウンターに席をいただき、瓶ビール、そして「大根がんも」をお願いする。
 
 お品書きには、“名代おでん 25種 100円から500円位”とあるが、それぞれには、値段がない。代わりに、すべて“愛称”がついている。
 
 “役者”とある大根は、中までしっかりつゆがしみていて、のある名優
 
 「がんも」をいただくと、中から銀杏が登場。愛称“満願”のとおり、思わず笑顔になる。
 
 カウンターには、常連さんっぽい一人客や男性の二人連れ、テーブル席には若いカップルが集う。
 
 「少し、暑い?」ご主人がそう言って窓を少しだけ開けてくれ、「ここを開けると、いい風入ってくるから」とにっこり。
 
 おでん以外にも、お刺身焼き魚ぬたなど、酒好きの心くすぐるアテが並ぶ。悩んだ結果は、「身欠にしん焼 400円」と「剣菱 500円」ぬる燗1本。
 
 を飲み干して、お皿を渡し、おでんもおかわり。
 
 「バイ貝もう一品、何がいいですか?」と聞くと、奥さんが、「絶対、“すじ”を食べてみて」とおでん鍋を探って、「一番、大きいヤツ」と言って入れてくれる。
 
 ここでいう「すじ」は、牛すじではなく、軟骨が入る練り物。独特の旨み食感で、なるほどいける。
 
 バイ貝愛称が、なぜか“勇人”。ご主人に伺うと、池田勇人首相が打ち出した「所得倍(バイ)増論」からの命名らしい。
 
 大正15年創業というお店は、ちょうど90年目とのこと。
 
 お酒「賀茂鶴 700円」の常温を追加し、“卒寿”に乾~杯。“伝統の味 昔おでん 東京の味”よ、いつまでも!!