地元常連たちの中で、しっぽりと
 
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住 所  島根県松江市東本町4-1
TEL  0852-23-0223
営業時間 16:30~21:30
定休日  不定休
 
  出雲空港から、バスに揺られ、鉛色の下、威風堂々とした宍道湖を眺めながら、向かうは「松江駅」。
 
 あっという間に日が暮れる中、大川橋にかかる「新大橋」を渡ると、そのたもとに明かり灯すお店が「やまいち」さん。
 
 紺地暖簾をくぐり、「予約をしてました~」と伝えると、「どうぞ、こちらに」とタオルを巻く若いご主人が迎えてくれる。
 
 まず、いただく瓶ビールは、「エビス」。カウンターに座るご夫婦が、出雲大社で見つけたという木の実の話題で、ご主人と盛り上がっている。
 
 ぶら下がるお品書札の中に、初めての土地で、初めて見る「もろげ」という文字。お隣のご夫婦が、ちょうど確認中。宍道湖七珍の一つ「モロゲエビ」とのこと。素揚げでいただくらしい。
 
 ご夫婦の注文に便乗し、いただいた一珍は、頭からかぶりつくと、殻が食べ易い薄さで、味がとにかく濃い。その3尾を平らげると、ビールも空っぽに。
 
 日本酒「賀茂鶴」を常温で注文し、カウンターに並ぶ大皿から、貝の煮付けをお願いすると、ご主人のお母さん一升瓶を抱えてきて、コップに注いでくれる。
 
  ご主人に「これ、赤貝ですか?」と伺うと、「“サルボウ貝”といいます。もともと中海のものですけど、調理法だけが残っているんです。」と丁寧に教えてもらう。
 
 ピリッと辛口の醤油煮。大の好み!!
 
 続けて、2組のグループが押し寄せ、小上がりのテーブル席が、満席に。
 
  10人ほどのカウンターも、カップルや女性客、男性陣たちで次々と埋まり、お店はとうとう満杯。地元の常連客が、ワイワイ。柔らかい言葉なまりに温かみを感じる。
 
 大忙しのご主人の頃合いを見て、「賀茂鶴」のおかわりと、湯気が立ち上る「おでん鍋」から、「大根」「巾着」、そして「春菊」をいただく。
 
  お父さんの後を継ぎ、お母さんと二人でお店を守るご主人
 
 ほどよいゆで具合「春菊」をほおばる。あ~~、この苦みが、いいんだよな~。