~ 太田和彦さんのふるさと松本で、「いい酒、いい人、いい肴」!!
住 所 長野県松本市大手4-7-10
TEL 0263-36-3728
営業時間 17:00~22:00
定休日 日曜日
学生時代以来、2度目の松本城。
壮大な北アルプスを背に、漆黒の天守閣が、そこに建つ。現存、日本最古の城の威風堂々とした姿に見惚れてしまう。「やっぱり、いいな~」
今夜の居酒屋は、ここから少し歩いた小路を入ったところにある「きく蔵」さん。
まさに「蔵造り」という感じのお店は、草木が勢いよく伸び、行燈のもとに暖簾がたなびき、「おもてなし」の気持が満ちあふれる店構え。
店内に入ると、「いらっしゃい~」と白い髭をたくわえたご主人がにこやかに迎えてくれる。
「さあ~、松本で飲むぞ~」。今夜も気合い十分。
既に、カウンターは満席。見渡せば、女性グループやカップルが多く、女性の方が圧倒的。
「ビンビール中瓶700円」をお願いすると、お通しは3点盛り。キス天ぷらとおからサラダ、もう一品が、見慣れない野菜のおひたし。
女将さんに「この野菜、なんですか~」とたずねると、「金針菜(キンシンサイ)といって萱草(カンゾウ)の蕾なんです」と教えてくれた。シャキシャキと歯ごたえよく、滋味深いおいしさ。
カウンターに座る女性が「今夜も混んでるわね~」というと、「今日は、何組も断ってしまって・・・」とすまなそうな様子のご主人。
松本の名物「山賊焼き900円」と「特上馬刺1,500円」に、こちらの地酒「大雪渓500円」をぬる燗でお願いする。
山賊焼き(写真)は、お店秘伝の醤油だれに漬け込んだ地鶏に、片栗粉をまぶし揚げたもの。辛口のお酒「大雪渓」がすいすい進む。
生だという馬刺は、肉厚の赤身。ニンニク風味の赤い味噌をぬりつけ、お醤油でいただくと、しっとり、まったり、何とも言えない美味。
お隣の女性二人組に真似て「夜明け前 純米吟醸1,000円」をいただく。島崎藤村の小説に由来するこのお酒は、どっしりとして、辛口ながら旨みがあり、まさに本物の風格。
松本といえば、居酒屋探訪家“太田和彦”さんのふるさと。ご主人に「太田和彦さんの大ファンなんです」と伝えると、「実は、昨日、ここに来られたんですよ」と耳打ちしてくれた。
一日遅れの残念を恨みつつ、松本のすてきな夜に酔いしれる。
太田さんのモットー「いい酒、いい人、いい肴」の原点を、ここ「きく蔵」さんに垣間(かいま)見た。