2009年の国内クラウドサービス市場規模は312億円、
2014年は1432億円に--IDC Japan


http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20411944,00.htm

2010/04/12 16:58 ZDNet Japan Staff の記事。

<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>

ザックリ書きますと、IDC Japanが4月12日に国内クラウドサービスの市場予測を発表。その結果、「パブリッククラウド範囲における2009年の国内クラウドサービス市場の規模は312億円で、IT市場が低迷する中でも急速な拡大を続けている」と言う内容。

不況に置けるIT投資抑制にも関わらず、パブリッククラウドのサービス市場は、日本国内でも拡大傾向にありますよと言うことのようだ。
2009年の市場は、312億円をまだ小規模であるが、今後の重要成長戦略としたITベンダーが多く、各種のクラウドサービスの提供が始まり、日本国内でも本格的な成長期を迎えているとしている。

「IDC Japanは、2009年~2014年の同市場の年間平均成長率が35.6%で、市場規模の拡大に伴い2012年以降の前年比成長率は緩やかに低下するものの、2014年の市場規模は2009年比4.6倍の1432億円になると予測している。」

$yamasan007の勝手にクラウド・ニュース解説!-国内クラウドサービス市場
※国内クラウドサービス市場 セグメント別売上額予測、2009年~2014年(出典:IDC Japan)

・ BPOサービス、導入支援、システム、アプリケーション開発などのプロフェッショナルサービスは含まれていない
・ プラットフォームは「アプリケーション開発、デプロイメント」に該当
・ システムインフラストラクチャは、「サーバ」「ストレージ」「セキュリティ、システム管理などのシステムインフラストラクチャソフトウェア」に該当する


約4年後には、市場は4.6倍にも大きくなっているだろうと予測している。
すでに、国内での事業者間の競争は、始まっており今後は激化をしていくだろうと推測。
社 ITサービス リサーチマネージャーの松本聡氏は、以下のように述べている。

「クラウドサービス事業者にとって、迅速なサービス提供が重要であった時期は早くも過ぎ去り、差別化が大きな課題となっている。また、企業のIT戦略は変化しており、『良いもの』ではなく『必要なもの』を選択する傾向が強まっていることに事業者は留意する必要がある。事業者は、利用量に応じた従量課金制だけではなく、細分化した豊富な機能を柔軟に選択利用できるサービスモデルを導入し、ユーザー企業にとって過不足のないサービスの提供が重要である」

ここで、非常に重要な点に注目したい。

「『良いもの』ではなく『必要なもの』を選択する傾向が強まっている」

である。
サービスとは、そもそもなんなのかを考えると「顧客が必要とする結果を提供すること」であって、機能ではないのと言うことを何度も私は、このブログで書いてきているが、上記にあるように『良いもの』=「だから高価」の論理が成り立たなくなってきているとも言える。もしくは、機能がやたらあってもだめで、顧客が『必要としするもの』=「必要とする結果」を選択する傾向が強いと言うことである。
要するに、むやみやたらに機能を羅列して、いくあら高機能を謳い差別化を主張しても、企業が選択するニーズがそうではない事を指している。

また、その後の言葉にも注目したい。

「細分化した豊富な機能を柔軟に選択利用できるサービスモデルを導入し、ユーザー企業にとって過不足のないサービスの提供が重要」

上記のサービス=機能ではないという内容とは、間逆の事を言っているかのようだが、これは、それだけ「顧客の求める結果が多様化している」のだから、顧客の求める結果をある程度揃える必要があると言うことである。

現在、経営的側面での商材の品揃えに「ロングテール理論」と言う用語がある。

これは、ABC分析の一般に商品販売では「80対20の法則」が成立することが知られているが、今までは、商品棚に全体の売上げの80%を占める商品を常に補充しておく事がセオリーだった。

それが、WEBショッピングなどの発達で在庫の概念が薄れた結果、人気の無い全体の売上げ20%を占めていたものを全て揃え、それを積み上げると、人気商品以上の売上高を示すというものに関わっている。

要するに、サービスでも需要の無いような物も数多く揃え、商材として窓口を広げておけば、積み上げると大きな収益になると言う事である。
この手法で成功しているのが、Amazonになる。

「ロングテール理論」とは、以下参照。
 ↓
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/longtail.html

とは言え、サービスをやたらめったらつけたところで、UIが複雑怪奇になるし、何をどう設定すればいいのかなどの問題も発生するので、そのサービスの選別には注意が必要だし、顧客に解り易い画面導線などを考慮をしなくてはいけない。

兎に角、今回の記事では、IT投資抑制の中でもパブリッククラウドの市場は、拡大傾向にあり、今後その競争は激化していくだろうと予測されている。
当然、コモディディ化による価格の低下も始まるだろうし、無料化によるフリーミアムな事も頻発していくだろう。

「コモディディ化」って何?って方は、以下参照。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%A2%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%86%E3%82%A3%E5%8C%96

「フリーミアム」とは何?って方は、以下参照。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%83%A0

その際、業者が用意すべき道は、サービスの開発であり、開発者もしくはSEは、そのサービスの提案になる。
もしくは、そのサービスを実現するバックエンドの仕組みをいかに考えるかである。

パブリッククラウドが発達していけば、いくほど技術より、サービスへのコンサル的要素が強くなることを日本人SEは、真剣に考えていく必要があるのではなかろうか?