NTTデータ、Amazon WebサービスAPI互換の「フルOSSクラウド構築ソリューション」を提供開始

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100409-00000031-rbb-sci

http://www.rbbtoday.com/article/2010/04/09/66997.html

4月9日16時48分配信 RBB TODAYの記事。

<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>

ザックリ書くと、先に紹介した「NTTデータのエンタープライズ向けトータルクラウドサービス「BizXaaS」(ビズエクサース)の「クラウド構築サービス」のラインアップ」として、「フル オープンソースソフトウェア(OSS)クラウド構築ソリューションを開発」し、サービスを4月上旬より開始しまっせと言う内容。

「オープンソースソフトウェア(OSS)」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://e-words.jp/w/OSS.html

今回の発表は、NTTが先に行った「エンタープライズ向けトータルクラウドサービス「BizXaaS」(ビズエクサース)」に対して、

「仮想マシンのオンデマンド利用が可能になる」

ことと

「要データの秘密保持・信頼性・安全性、既存システムとの連携、カスタマイズの自由度といった観点から、パブリッククラウドの利用に不安を持つ顧客の要望に応じて、プライベート /コミュニティクラウド環境を構築可能なソリューション」

を提供するのを目的としたサービス。
OSSの利点を活かして、初期導入を低下させて、顧客の要望に応じたカスタマイズが可能になると言う。

$yamasan007の勝手にクラウド・ニュース解説!-フルOSSクラウド構築ソリューション
※研修サービスでのプライベートクラウド基盤の利用イメージ例


この内容を見る限りでは、OSSを活用したオンプレミス開発そのもの様であるが、以下の注目点がプライベートクラウドとも呼べる点かとも言える。

「CPUやメモリや容量などを自分が使いたいだけ自分で設定できる」

要は、運用者の手続きを必要としないセルフサービスが実現できるとの事なのだが、それを行う為に「Eucalyptus(ユーカリプタス)」を採用している。

「「Eucalyptus」は、Amazon Webサービス互換のAPIをもつOSSであり、仮想化技術としてXenあるいはKVMを利用可能となっている。Windowsの仮想マシンイメージにも対応する。また、Amazon Webサービス互換であることを生かし、本ソリューションで使用する仮想マシンイメージとAmazon Webサービスで使用可能な仮想マシンイメージの相互変換が可能。」

この「Eucalyptus」は、記事に記載されているように、Amazon Webサービスと互換性があり、今回のNTTデータが提供するサービス(Eucalyptusベース)である「フルOSSクラウド構築ソリューション」と相互間でのデータなどのやり取りが、可能になると言う。
サービスイメージとしてみれば、Amazon Webサービスを利用したパブリッククラウドとの融合によるハイブリットクラウドサービスがし易くなるのがポイントであると言える。

「Eucalyptus(ユーカリプタス)」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://oss.infoscience.co.jp/eucalyptus/

http://eucalyptus.linux4u.jp/wiki/

「Xen(仮想化ソフトウェア)」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/Xen_(%E4%BB%AE%E6%83%B3%E5%8C%96%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2)

「KVM(Kernel-based Virtual Machine)」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Keyword/20090812/335443/

「Amazon Webサービ」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://www.rfs.jp/sb/perl/10/aws01.html

「オンデマンド(on demand)」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://e-words.jp/w/E382AAE383B3E38387E3839EE383B3E38389.html

この「Eucalyptus(ユーカリプタス)」は、カリフォルニア大学サンタバーバラ校 (UCSB) で開発されたソフトウェアで、Amazonのクラウドサービス「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」と互換性のあるインターフェースを備えたクラウド基盤で、

「NTTデータはこの「Eucalyptus(ユーカリプタス)」ベースのプライベート・クラウド基盤の構築・運用と機能拡張に全面的に参画し、技術的蓄積と行ってきた。」

とあり、

「また利便性を向上させる目的で、GUI化されたクライアントツール、仮想マシンのグループ管理機能やバージョン管理機能を実装した。仮想マシンの管理機能、LDAP認証機能、ユーザー毎のリソース管理制限機能なども追加されており、「Eucalyptus」に不足していた運用管理系機能の強化が図られている。」

とある。

「GUI」って何?って方は、以下参照。

http://e-words.jp/w/GUI.html

「LDAP」って何?って方は、以下参照。

http://e-words.jp/w/LDAP.html

機能面では、非常にユーザー目線での充実を図っており、GUI化されたクラインアントツールなどは、なかなかポイントが高いように思う。
他にも仮想化マシンのグループ管理機能やバージョン管理機能などなかなか、チェックがし難い部分を拡張しているので、サービス利用者の直感的使い勝手的には良いものかもしれない。
元がOSSの「Eucalyptus(ユーカリプタス)」により、管理機能を拡張されたものだけなので、初期導入は確かに抑えられるのは、確かだと思う。

今回、NTTデータが満を辞して「Eucalyptus(ユーカリプタス)」をベースにしたAWSとの互換性を持つ、プライベートクラウド構築サービス発表に打って出たのかが、非常に興味深い動きで、立て続けにサービスラインナップに上げると言うことは、全体の流れとして一般日本企業では、まだパブリッククラウドへの安全性と堅固性などに不安をもつ心理が根強い事を指していると言うことだろう。

実際、情報系のデータに関しては、セールスフォースの普及もあり、徐々に抵抗感も無い部分も出てきてとは言え、そうそうにパブリッククラウドに移行すると言う訳では無い事も確かだ。
しかし、かといって従来通りのオンプレミス開発によるカスタマイズ費用と保守運用費だけで、これからのIT業界が流れるとは、非常に考え難いとなると今後、どのようにその中で活路を導き出すのか?

まずは、プライベートクラウドにて、オンプレミスで開発しておき、クラウド構築技術とサービスのノウハウを蓄積しておき、本格的パブリッククラウド導入に移行し始めたとき、プライベートクラウドにて構築しているシステムを徐々にパブリックに移行する仕組みを考えておくとそれは、ベストな方法とも言える。
その様な、視点で見るならば、今回のNTTデータの「フルOSSクラウド構築ソリューション」は、それ自体がサービスであるが、今後の拡張的展開サービスを視野に入れていると考えるならば、なかなかな戦略であると思える。

来るべき、海外勢の本格的な日本上陸まで、もう秒読みに入っている現在、日本企業ベンダーも何もしないわけではないと言うことであろうが……さて、その手法が功を奏するのか?焼け石に水なのか?まだまだ、解らない。

まぁ、私の所見からすると日本勢が不利なのは、正直、現時点(これ)でも変わらないと思っているが……