JDL、月額380円でSaaS/経理の提供を開始、競合には脅威か

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100405-00000018-bcn-sci

http://biz.bcnranking.jp/article/news/1004/100405_122386.html

4月5日17時22分配信 BCNの記事。

<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>

ザックリ書くと、日本デジタル研究所(JDL、前澤和夫社長)が、厳しい経済環境に直面する小規模企業や、個人事業者の帳簿作成などを支援するSaaS型の経理ソフトウェアや給与ソフトウェアを4月1日より開始しましたよてな内容。

「日本デジタル研究所」のHP
 ↓
http://www.jdl.co.jp/

「JDL IBEX net」の紹介ページ
 ↓
http://www.jdlibex.net/

このサービスは、非常に地味だが結構、台風の目ではないかと思っています。
今一、「弥生」や「勘定奉行」ほどの知名度は、一般にはないですが、「会計専用機メーカーとして汎用機時代に成長し、全国にある公認会計士の事務所の大半にシステムを導入」との実績がある会計においては、割と強い企業であるので、大手ベンダーとは言え、無視できないのではないかと思います。
また、それに合わせて、非常に魅了的なのがその価格設定です。

「提供するサービスは、「JDL IBEX出納帳net」(月額380円)と「JDL IBEX給与net」(月額350円)の2種類。両サービスとも、税制や会計制度が改正された際には、ネットを介して常に最新バージョンにアップデートする。」

月額350円と言うのは、どういう価格設定なのかやや解り難いですが、個人事業者や小規模企業にとっては、これほど良いものはないかもしれません。
ただ、難点は、専用のソフトをインストールする必要があるので、ブラウザだけでやれるものではない点でしょうか。とは言え、メンドクサイ、パッケージによるバージョン管理などもなくやれるとの事ですので、PCに弱い方にはかえって有効かもしれません。

まぁ、クライアントPCにある程度の性能を必要とすると言う点で、正確な意味でのSaaSなのかとなりますが、微妙かもしれませんが。

「今回のSaaSサービスは、競合他社を含め、会計ソフトベンダーが相次いで参入している分野。同社の既存顧客である会計事務所を死守するために、SaaS・クラウドへの取り組みを開始したものだ。」

と記事にあるように、旧来からの既存顧客である会計事務所を死守するために打って出た策のようでもあるのですが、ここは、低価格戦略で打って出て、後発で来る「弥生 SaaS」などに対抗していく気なのでしょう。
このSaaS市場は現在、大手ベンダーも次々と参入しおり、正に、陣取り合戦状態になってきています。

いかにスピーディに市場を占拠しうるのかが、このSaaS市場で勝ち抜くキーポイントになりそうですが、そこで重要なのが、いかにスムーズに会計事務所との連携や銀行情報との連携でしょう。

「JDL IBEX出納帳net」の特長として、

(1)仕訳入力不要で経理処理がやさしく行なえます。
(2)銀行のオンラインサービスを活用して預金取引を自動記帳します。
(3)顧問会計事務所と連携した安心の運用を実現します。など


とあり、これらに関しては、非常に大きな強みであり、サービスとしては有って当たり前に近いものでしょうから、これを実装している点でかなり、ポイントが高いともいえます。
(会計系ソフトとしてあって当たり前ではあるのですが…)

そう言う意味で、この記事としては割りと地味な内容ですが、今後更に参入する「弥生」などのSaaSに関して大きく影響を及ぼす内容なのではないかと記事にあるように、私も同じように会計系SaaS市場は、波乱含みの様相を呈してくるのではないかとニヤニヤしながら見たいです。(笑)