経営の見える化を実現
SAP、すべてのBI製品群を富士通のクラウド環境で提供


http://www.atmarkit.co.jp/news/201004/05/sap0405.html

2010/04/05 @ITの記事。

<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>

ザックリ書きますと、ERP市場最大手のソフトウェアメーカーSAP(ドイツ)が、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)型の情報分析サービス「SAP BusinessObjects BI OnDemand」の日本語版を富士通と共同開発を行い、富士通のクラウドサービス基盤で提供しまっせとの内容。

「SAP ジャパン」のHP
 ↓
http://www.sap.com/japan/index.epx

「SAP」について。
 ↓
http://e-words.jp/w/SAP.html

「富士通」のHP
 ↓
http://jp.fujitsu.com/

「富士通」の同記事についてのプレスリリース
 ↓
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2010/04/5-2.html

「BI(ビジネスインテリジェンス)」って何?って方は、以下参照。
 ↓
http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/bi.html

昨今、よく聞くのが「BI」ですが、上記リンク先にあるように「業務システムなどから蓄積される企業内の膨大なデータを、蓄積・分析・加工して、企業の意思決定に活用する手法」とあります。

データマイニング」もこの「BI」の一種に分類されると言うことになるが、経営者の意思決定など様々な情報源として、SAPは各種のサービスを既にドイツでは行っているが、このほど、日本市場に向けて日本語版を開発するとある。
内容は、以下の通りらしく…

「社内外に分散した経営情報を集積し、分析および共有することで経営の見える化を図るというSAP BusinessObjectsポートフォリオに含まれるビジネスインテリジェンス(BI)製品群すべてを1つのプラットフォームに集約したもの」

システム的に社内外に分散された情報を集積し、分析後、共有するなどして経営の見える化を図る事を目指すと言う。
実際、そのまま富士通のプラットフォームに移植じゃないの?とも思えるが…まぁ、そこは、日本の商習慣など様々な切り口などもあり、コンサル的にSAPは考えていくのではないかと思う。
そうでないと、日本市場でのSaaSでの販路拡大にはちょっと厳しいと思う。

「個別に構築された業務システムから収集した会計データや受注データを、1つの業務システムデータのようにPC画面上で閲覧し、経営分析やレポート作成を行うデータマッシュアップ機能や、ビジネスデータを素早く検索、分析できるソフトウェア「SAP BusinessObjects Explorer」などを搭載する」

とあるので、会計データや受注データを持つ、他システム(オンプレミスも含む)ものとの連携も当然範疇に入れていると思われるので、開発を行うSaaSとしての性能に期待が持てるところである。
また、データマッシュアップ機能も実装予定と言うことなので、サービス利用者のUIも十分考慮されるだろう。

「データマッシュアップ機能」
 ↓
※複数の異なるデータを複合させてサービス利用者にUI的に見やすく自由に操作表示させる機能。

「SAP」は、そもそもがERPの最大手の企業であり、富士通が同会社との業務提携を行ったと言うことは、おいおいは、基幹業務でのSaaS化なりPaaS上での、カスタマイズを施したSaaSなども狙ってい可能性は高い。
「SAP」も日本市場でのSaaS展開は、非常に魅力あるものであるから両社の思惑が一致したと見ていいでしょう。

また、この「SAP」と「富士通」のSaaSの共同開発の面白いところは、以下の記事の抜粋にあるようにセールスフォースとの連携も視野に入れているところである。

「SAPやSalesforce CRM(Customer Relationship Management)などのオンデマンドおよびオンプレミスのデータに対して連携およびアクセスが可能となる。

非常にクラウド・コンピューティングは、業務提携やら連携やらでそのシステムの関係が、今後は、複雑な様相を呈してくるのを予言しているようです。

そう言う意味で、SEとしては益々、コンサル的かつ、SOA(サービス指向アーキテクチャ)の考えを素早く習得して置き、迫り来るクラウド狂想曲の本演奏に備えるべきでしょう。

とは言え、なぜ「SAP」が「富士通」を選択したのかというと、そもそもパートナーシップ契約を結んでいたことと、「同社のデータセンター「館林システムセンター」の堅牢さなどを評価」したからだそうだ。
確かに、今後、基幹系業務を展開する上での堅固さなどは、切っても切り離せない重要な事なので、その点に重点を置いたと注目することができる。

「富士通」のデータセンター「館林システムセンター」
 ↓
http://fenics.fujitsu.com/idc/tatebayashi/aaa/

どっちにしろ、今後の「富士通」の動きは、クラウドに対して反転攻勢を掛ける勢いなので、注目して置きたい日本ベンダー企業の一つです。