クラウドの潮流からは、逃れられない。
企業のIT部門は、何から着手すべきか。


http://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/a00c/105178/

日経BP社の記事

<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>

ザックリ書きますと、クラウドと言っても企業が導入する場合、その過程に非常には、様々な課題が山積している。ましてや、その課題が見えていない場合もある。そこで、日本ヒューレット・パッカード株式会社は、「クラウドディスカバリーワークショップ(CDW)」というクラウドの利点などを最大限に引き出す“ロードマップ策定支援サービス”をやっていますよと紹介する内容。

クラウドの導入において、企業でコスト削減を目標だけにやるにしてもそれが、ホントに企業内でのコンセンサスが取れているのか?など、導入までの課題は多い。

それを一つ一つ明らかにしながら解とコンセンサスを共有しながら、企業のクラウド導入と運営をスムーズにして行こうと言うのが狙い。

従来で言うところの上流工程と変わらないと言えばそうだが、その「クラウドディスカバリーワークショップ(CDW)」が良いと思われるのは、明確なロードマップと進行が経験とノウハウを積んだHPの人間が行い拡散しがちな議論をまとめていくところだろうか。

サービスとしていうならここも大きな差別化であって、個人向けとは違うクラウド導入のサービス形態といえる。

以下内容を一部抜粋--日本HP社のTコンサルティング部シニアコンサルタント宮原猛氏曰く、

「企業が,自社のビジネス目標に合致したクラウド戦略を描くには,情報収集や関係者間での調整を考えると大変な労を要します。そこでHPがご提案するのが,ワークショップ形式によるクラウド環境実現へのロードマップ策定です」

「企業が,自社のビジネス目標に合致したクラウド戦略を描くには,情報収集や関係者間での調整を考えると大変な労を要します。そこでHPがご提案するのが,ワークショップ形式によるクラウド環境実現へのロードマップ策定です」。

この工程でのワークショップ形式は、導入時の入り口でしっかりとコンセンサスを得る上で重要な作業であり、必ず、やっておくべき内容です。
そこをノウハウとして提示している日本HP社のサービスは、定型化して、スムーズに進む様にしているベストな方策ともいえます。

「CDWをご活用いただく最大のメリットは,包括的かつ集中的に議論を行い,短期間でクラウド実現に向けた基本構想を策定できることにあります」(宮原氏)。

ロードマップに沿った形で、全体像を俯瞰しつつ、議論が拡散しないように、短期間でクラウド導入へ向けて行うサービスそのものが大きなメリットであることは、確かです。

議論は、基本的に導入プロジェクトのキーパーソンが参加の上で、行い以下の9つの内容で主に行われるとあります。

【What’s Cloud?】
(1) Setting the Scene(全体認識の統一)
(2) Cloud Concept(クラウドコンセプト・自社最適化の方針)
(3) Transformation Journey(IT環境の変革プロセス)
(4) Cloud Service Portfolio(サービス化すべきメニュー)
(5) Cloud Financial and ROI(収益モデルと投資対効果)

【How to Cloud?】
(6) Cloud Infrastructure(インフラストラクチャー構想)
(7) Cloud Service Management(サービスマネージメント構想)
(8) Cloud Security and Availability(セキュリティと可用性の実現)
(9) Governance and Organization(組織体制とガバナンス)


それぞれの細かな内容は、リンク先の内容を読んでもらうとして、このようにクラウドを企業が導入時点での課題を様々な角度から議論を重ね積み上げてコンセンサスを得て行く工程そのものは、実際の実機導入や設定などより重要であるのは、意外に知られていない。

そもそも導入企業側は、多くがIT企業ではない場合が多く、キーパーソンがその重要性に気付いていないことが殆どで、従来のサーバを自前に持つ程度と同じレベルで考える傾向にある。
ただ、実際に進行していくと現場との認識のズレが発覚し、それでも既に予算が付き、ある程度の投資もしてしまっている事もあり、仕方なく慢性的、惰性的に導入をしてしまう企業も多い。

今回の日本ヒューレット・パッカード株式会社「クラウドディスカバリーワークショップ(CDW)」が、その様な惰性的なシステム導入を打破しうるものであるとは、言い切れませんが、少なくとも惰性的に行われてしまい現場では殆ど遣われることのない機能がごまんとあるシステム(=クラウドサービス)が導入される事は、幾らかは回避されるサービスなのではないかと思います。

個人向けクラウドと企業向けクラウドを同列に見る傾向にある昨今のクラウド論議で、重要なのは二つは、実は異なる意思決定で行われるので、後者の方がどうしても難しいと言うこと。

後者は、企業と言う人間の集合体であるから、必ず、導入時に多くのコンセンサスを必要としますからその仮定での、課題は個人以上に解決に時間がかかります。
また放置してしまうと後半になればなるほど、その課題のリスクは重くなり、導入が遅れる原因にもなってしまい当初想定より、コスト増加を招く悲劇になりかねません。

そんな企業向けのクラウド導入のロードマップを策定し、運用しつつ、クラウド導入の上流工程をまとめていく日本ヒューレット・パッカード株式会社の「クラウドディスカバリーワークショップ(CDW)」は、他のクラウドサービス業者に対して大きな差別化を生むサービスである事は間違いないでしょう。

コモディティ化などが騒がれていますが、このようにサービスの切り口を細やかに見ていくと差別化の要素は、多く存在している。
特に企業向けでは、殆ど無限に近いものがあります。
価格競争をやる前にいかに顧客の要求である「結果をこう出したい!」を聞き出し、最終的に適切なサービスを提示することが出来れば、クラウド狂想曲を飛び出して、最後まで演奏し切り、必ず勝ち抜けるはずです。

決して、サービス=機能ではないと言う事を念頭に置きつつSEは、クラウド導入などには挑むべきと今回の紹介記事を読み強く感じます。