[調査]ITマネジャー、リスクを認めつつもクラウドの導入を検討、「リスクよりもメリットのほうが大きい」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100325-00000002-cwj-sci

3月25日20時40分配信 COMPUTERWORLD.jpも記事

<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>

ザックリ書きますと、米国調査でのITマネジャーのアンケート回答で「約80%のITマネジャーが「クラウド・コンピューティング利用は、リスクよりもメリットのほうが大きい」」と考えているけど、実際の導入には、まだまだ慎重で、基幹業務に関しては、「機密性の保持」の観点から課題が残っているねってな内容。

米国情報システム・コントロール協会(ISACA:Information Systems Audit and Control Association)が最近実施した調査した内容らしいです。


米国情報システム・コントロール協会(ISACA)については以下参照。

http://www.amiya.co.jp/glossary/k_sa_020.html

「同調査は、欧州、中東、アフリカ地域の50カ国、1500社以上を対象に行われたもの。」

クラウド先進国の米国でも、まだまだ企業展開でのクラウドは、発展途上であり導入するところが多いというわけでもない模様。
ただし、クラウドの持つリスクと効果で考えるとITマネジャーの多くは、効果>リスクと考えている様でもあります。

「「IT関連のビジネス・リスクを取ってもよい」と回答した企業は63%で、「ビジネス・リターンを最大化するためなら大きなリスクでも取る」とした企業が12%にも上った」

この数字を高いと見るか、低いと見るかですが、IT関連のビジネス・リスクをとってもいいで60%以上は、高いのではないかと思いますね。
大きなリスクもとってもいいという数字を12%としているのを、少ないか高いかで見ると、高いかもしれません。大きなリスクと言う事になると会社自体の破綻を意味している場合もあるのですから、それをとってもクラウド・コンピューティングをやる価値があると思うITマネージャーが、100人中に1人はいることになります。

ただ、やはり基幹業務への導入には、相当慎重な姿勢も見せているのが、日本と変わらないと言いますか、それだけ米国内でもその市場を狙って虎視眈々と狙っているところもあると言うことでもあるかもしれませんね。

以下、記事内容の基幹業務導入へのアンケートでの抜粋。

「「基幹系アプリケーションにクラウド・サービスを使う予定があるか」との質問に「Yes」と回答したのはわずか9%にすぎなかった。なお、最も不安な課題は「機密データの保護」であり、58%の企業がこれを最優先課題に挙げている。」

記事にもありますように、やはり米国や他国でも企業への導入では、慎重と言うか「様子見」の状態でもあるようで、それは大企業であればあるほど、その傾向は強くなっている模様。
その意味で、日本の現状とは似ているのですが、米国や他国でこの手の調査が行われている事が、クラウド・コンピューティングの関心が次第に高まっている事をさしているといえるかも知れません。

必要な時に、必要な分だけのITリソースを使いたいとの需要は、米国や他国だけではなく、世界中で期待されていることであり、不要なIT資産は所持し、メンテナンスするメリットがないことに多くのITマネジャーは気付いていると見るべき事柄であるのでしょう。

最後に、ISACAの戦略担当責任者、ポール・ウィリアムズ(Paul Williams)氏のインタービューを記載します。

「われわれは日々、リスクを考えながら行動している。十分な成果や見返りを期待できるプロジェクトだけに投資するには、まずリスクを判別・評価し、優先付けするための総合的なリスク・マネジメントが不可欠だ。大企業では、リスクを無視したり判断を誤ったりして倒産することなど、絶対にあってはならない」