$yamasan007の勝手にクラウド・ニュース解説!-ウルス・ヘルツル(Urs Holzle)氏
※ウルス・ヘルツル(Urs Holzle)氏。
 運営上級副社長兼Googleフェロー。

同社初の技術担当副社長としてインフラ開発を指揮。現在もインフラ全般の設計、運営の責任者を務めている。JavaVMで使われるJIT関連技術のパイオニアとして知られる。

【インタビュー】グーグルが考えるクラウドとは

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100325-00000002-zdn_ait-sci

3月25日21時14分配信 @ITの記事

<以下、私個人が勝手に解説している内容です。間違っているなら気軽にツッコミしてね。>

ザックリ書くと、運営上級副社長兼Googleフェロー:ウルス・ヘルツル(Urs Holzle)氏のインタビューで、彼曰く、ITバブル以降、WEB技術の進展は停滞していたが、ここ数年でイノベーションが加速しだしているとの事。その代表格が、クラウド・コンピューティングであり、ある意味革新的なデバイスであるiPhoneやAndroidである。そして、これから先、これらは更に進化し、市場は膨らむし、ニッチ的要素を狙ったビジネス展開も出来るようになるだろう。そして、エンドユーザーに見えるものは、HTML程度になっていくと思われる的な内容。

さすが、Googleの上級副社長の言うことは違っているなぁ~と。
特に以下の発言が、非常に印象に残るもの。

「クラウドによって、数百万ユーザーに向けてサービスを安全に届けることができます。そこではサービス提供者がソフトウェアに関するすべてを管理しています。実のところユーザーはソフトウェアを所有していません。インストールする必要がないのです。」

これは、クラウド・コンピューティングのもっとも画期的な部分でもある。
一時期、「シンクライアント」と言う言葉があったが、この場合は、クラアント/サーバの延長線上のものであったが、結局、クライアントのフット化は避ける事は、なかなか出来なかった。
故に、ソフトウェアのインストール作業が、各PCには必要であったし、バージョンが古いものなどがいたるところで稼動していたりした。

シンクライアントって何?って方は、以下参照。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%88

と言うより、今でもしている。
これは、非常に時間的ロスもしかり、作業効率の弊害にもなっていた。
それが、クラウド・コンピューティングになると常に最新物が均一に皆使える。

このインストール作業とバージョン管理からの開放のイノベーションだけでも随分違う。
その頭痛の種だったバージョン管理だけからでも開放されることで、人のイノベーションへ掛ける時間は、全く違うものになる。

それに、使用する側は、全くそのことを意識する必要がなくなる。
デバイスさえあれば、最新のアプリケーションがクラウド・コンピューティングを介して、サービスとして受けれるのだから何年も資金不足故に古いバージョンを使わなくてはいけなかった、企業や人などはその無駄な作業がなくなるのだ。

同氏は、インタビューの中でこうも予言している。

「WebページとWebアプリの違いはどんどん小さくなっていますし、今後両者の違いは消えていくでしょう。HTML5か、その後継となるものが、そうした世界へいたる道となるでしょう。」

「HTML5」とは何?ってかたは、以下参照。
 ↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/HTML5

彼曰く、「HTML5」の後継のものか何かが、最終的にかどうかはわからないが、非常にシンプルなもの(※ここではHTMLと言っている)が、デバイス上に展開されるだけになるだろうということである。

正直、この3~5年では、早々にそこまではならないかも知れないが、近い状態になるかも知れないと思う。実際、デバイスとしてのiPhoneやAndroidが、電話でアプリを使う事を可能としたのだから、開発として難しい言語を使いシステムを構築することは確実に減っていくことになるかもしれない。

また、ブラウザにしても今やその進化は、凄まじく、IEのみである世界ではなくなっている。
(※Google Chromeを筆頭に様々なブラウザが、進化しておりIEが恐ろしく遅く見える)

実際、使用者に取ってみれば、そのサービス提供の結果が出ればいいのだから、その結果までの過程でクラウドを介してだろうとクライアント上だろうと問題がなければ、違和感はない。

サービス=システムではなく、顧客の満足が結果なのであるから、サービスさえどのような形かでしっかりと出てくるならば、コストが掛からないクラウド・コンピューティングにその注目が集まるのは仕方がないことといえばそうなる。

今回のウルス・ヘルツル(Urs Holzle)氏インタビューの内容は、Googleが他よりクラウド・コンピューティングについての見方で圧倒的に優位に立つ理由があると言っていい。
何故なら、顧客が求めるサービスとは何なのか?
決して、システム=サービスと見ていない事が発言で解るからで、そのことを日本のベンダーなり、日本人SEは真剣に考えなければならないと思う。