雪山を始める前から一度は訪れてみたいと憧れていた立山。


その時は夏山シーズンを前提に考えていたのだが、雪山の経験を積む中で、段々と残雪期の立山を登ってみたいという気持ちが強くなっていった。



気楽に登れるわけではなく、いくつかの危険箇所はあるものの、凄くシビアなレベルではないし、雄山、大汝山くらいまでなら、体力的にもキツくない。それでいて3,000m峰。


前週に登った乗鞍岳と並んで、数少ない「僕でもピークに立てる雪山3,000m峰」である。


今シーズンは乗鞍岳で雪山は登り納めかなと思っていたのだが、天気予報をチェックしていたら日曜日が抜群の天気になりそうということで、立山への残雪期日帰り登山を画策。



立山黒部アルペンルートのWebチケットを確認したら、何とか始発6:30の空きがあったので、すぐに意思決定してWebチケットを購入。


東京都民からすれば、立山での登山は、登山以上に室堂に辿り着くまでがひと苦労だ。とにかく遠い。



長野県側の扇沢まで車で行くのも遠いし、扇沢から室堂までは4つの乗り物を乗り継ぐ必要がある。



整理しておくと、


電気バス 扇沢から黒部ダム

徒歩 黒部ダムから黒部湖

ケーブルカー 黒部湖から黒部平

ロープウェイ 黒部平から大観峰

トロリーバス 大観峰から室堂


というなかなか大変な道のり。乗り物に乗っている時間は40半程度だが、黒部ダムの徒歩や乗り継ぎの時間などがそれなりにかかってしまうため、トータルでは80-90分くらい要してしまう。



こんなにアクセスが大変なのに、凄まじい集客力を誇るのが立山黒部アルペンルートのすごいところだ。この日の扇沢駅も、登山者というよりは一般の観光客でごった返していた。



夜11時過ぎに家を出て車で3時間半かけて扇沢に夜中2時半頃に着いてから車で仮眠。5時過ぎに起きて身支度をして6時には列に並ぶ。6時半の始発に乗って、室堂への到着が8時。



これだけで疲労困憊になりそうな道のりだ。本当に遠かった室堂。だけど、はるばるやって来た甲斐もあって、天気としては申し分のない快晴。



室堂のターミナルから一歩外に出ると、サングラスをしなければ目を開けていられないくらいの眩しさだ。



そして目の前に広がる立山の絶景。その瞬間に室堂にアクセスするためにかけた時間とコストの全てを回収し終わったくらいの気分になる。



室堂からの景色だけで投資回収はできたということで、ここから先の登山による便益は100%利益になるという計算が成り立つくらいの素晴らしいコンディション。



この時点で、本当に来てよかったと満足。そんな感じで、少しだけ景色に浸りつつ、早速スタートの準備。途中でつけるのも面倒なので、最初からアイゼンを装着。


ようやくスタートラインについたところで、今回はここまで。雄山、大汝山への登山の様子はまた次回に譲りたいと思う。