先日、日本百名山の深田久弥が中央アルプスを縦走した時のルートについて記した。



「日本百名山」の空木岳の章から推測したルートだが、よく調べてみたら実際には少し違ったようだ。



軽井沢で息子が本屋さんに行きたいというので立ち寄った時、偶然にも「百名山紀行」という本を見つけ迷わず購入した。


この本は深田久弥の「日本百名山」に取り上げられた山に関わる同氏のエッセーを取りまとめたもの。


ヤマケイ文庫から上下巻で発売されていて、その下巻に中央アルプス縦走の様子について詳しく書かれていたので、YAMAPで再現してみた。



行程としてはざっと以下のとおり。標準コースタイムは休憩なしの時間。


1日目

木曽側から入山して越百小屋に宿泊。

距離 5.8km

累計登り 1,396m

累計下り 139m

標準コースタイム 5時間9分


2日目

越百山、南駒ヶ岳を経て空木岳へ。空木岳避難小屋にて宿泊。

距離 8.0km

累計登り 1,038m

累計下り 864m

標準コースタイム 6時間35分


3日目

再び空木岳へ登り、檜尾岳を経て宝剣岳へ。宝剣岳の岩場を越えて現在の宝剣山荘で宿泊。

距離 9.6km

累計登り 1,448m

累計下り 1,096m

標準コースタイム 8時間26分


4日目

木曽駒ヶ岳に登った後、濃ヶ池方面を散策して小屋に戻った後、伊那前岳方面へと下山。ゴールは現在の菅の台バスセンター付近か。

距離 13.6km

累計登り 640m

累計下り 2,104m

標準コースタイム 8時間53分


結構な道のりだ。エッセイを読んでいると、宝剣岳を通過する時は土砂降りの雨に見舞われたらしく、ハードな山行だったことがわかる。


「天は最後の我々の努力を試すかのように、この悪場で最も猛烈な雨と風を課した。」という厳しいコンディションの中、宝剣岳の山頂に辿り着いた後には「もうここまで来ればしめたものだ。この先は一度通ったことのある道だ。僕等は駆けるようにして宝剣を下り」と記してある。



僕はまだ宝剣岳を登ったことはなく、今年の夏に登りたいと思っているが、山と高原地図では破線で示された難ルート。そんな険しい岩場を土砂降りの雨の中で登り切って、さらには「駆けるようにして」下ったというのだから驚きだ。


なかなか面白い本を手に入れた。これからも百名山に登る際は、ぜひこの本を予習がてら読んだ上で、より深く百名山を味わうことができればと思う。