ホテル千畳敷。標高2,612mにある日本でいちばん高いところにあるホテル。



あくまでも山小屋ではなくホテル。部屋は全て個室で、決して豪華ではないけどシンプルな和室でテレビもあるし、大浴場もあってシャンプーだって使える。


木曽駒ヶ岳の玄関口となる千畳敷カール。


標高1,662mにあるしらび平駅から、駒ヶ岳ロープウェイに乗ってアクセスする。7分ほどで一気に1,000m近く標高を上げていく。



そのロープウェイ千畳敷駅の建物がそのままホテルとなっている感じだ。


僕としてはやっとこのホテルに泊まることができたという思いだ。


部屋数が少ないこともあり、夏山シーズンはなかなか予約を取るのが難しい。


そんな中、うまく予約を取ることができて、昨年7月に息子と泊まろうとしたことがある。ここに泊まって、翌日に木曽駒ヶ岳に登ろうという計画だった。


しかし、残念なことに、直前の雨で菅の台バスセンターからしらび平駅までの道路が通行止めとなってしまい、バスが運休となったため、この時は行くことができなかった。



登山予定日は晴れて登山日和だったので、非常に残念な気持ちになったことを覚えている。


そんなこともあったので、今回の宿泊はようやく念願が叶った感じだ。


千畳敷カールから眺める星空や、南アルプスの方から昇ってくる御来光、そしてロープウェイが動き出す前の早朝の千畳敷カールの雄大な景色。


こういうことを楽しみにこの日を迎えたわけだが、残念なことに大雪でほとんどホワイトアウト。



宿泊者も数名でガラガラ。そりゃこんな日に泊まっても仕方がないから、お客さんがいないのも納得。


逆にこんな日に泊まっている人は一体何をしに来ているんだろう?と気になるくらいだ。(多分、他の人も同じことを僕に対して思っているはずだ。)


まあ、この天気のおかげで、吹雪の中でのビバーク講習というリアルな講習ができたので、物事は必ず表があれば裏があるということかもしれない。




そんなことでホテル千畳敷で一泊したわけだが、とても快適に過ごすことができた。



部屋は質素だけど清潔感のある和室で過ごしやすいし、トイレは共同だけどこちらも掃除が行き届いていて快適。




お風呂も大浴場があって、山小屋で入れるお風呂と違い、シャンプーとボディシャンプーも完備されているし、シャワーの勢いもバッチリ。



そして何より食事が美味しかった。もちろん、山小屋で食べる食事もすごく美味しいのだが、やはりここは山小屋ではなくホテルということで、少し手が込んだ感じだ。


夕食も朝食も美味しく頂くことができて大満足。





そういうわけで、初めてのホテル千畳敷を満喫。


しかし、ホテルに泊まるためにこのホテルに来たわけではない。


今回泊まったのは、ビバーク講習に続いて、雪崩対策講習を受けるためであった。


過去形で書いたのは、雪の影響で午前中はしらび平までのバスが動かず、ガイドさんが来られなくなり、残念ながら中止となってしまったためだ。


結局、お昼過ぎまで千畳敷にとどまり、バスが動き出すのに合わせてロープウェイで下に降りることになった。


それまでの間はホテル付近を散歩したり、レストランでお昼を食べて過ごす。



雪崩講習は受けられなかったが、千畳敷に泊まったおかげで、よく晴れた2日目に千畳敷カールの絶景は楽しむことができた。その様子は改めて。



とりあえず中央道がまだ通行止めみたいなので、国道20号で帰るしかない。これから覚悟を決めてのロングドライブだ。