一カ月ほどの間、住宅メーカーの情報をWEBや展示場、見学会で収集、検討した結果、建築する住宅会社の候補を①ウンノハウス、②一条工務店、③吉成建築の3社に絞り込み、2018年8月末にそれぞれプランの提案と概算見積もりを依頼しました。

 

 3社の共通点としては、いずれも次世代省エネルギー基準を大幅に超える高断熱仕様で、発泡樹脂系断熱材を使用した内外ダブル断熱+トリプルガラス仕様が可能であること、熱交換式の第一種換気が選択可能であることです。

 

 また、偶然にも会社の規模は3社3様で、①南東北3県に展開する地方の中堅ビルダー、②大手ハウスメーカー、③地元工務店です。

 

 

 

 見積もりの方法もそれぞれで異なります。

 

ウンノハウスは分譲地見学の後、見積もり依頼のアポを取り、ショールームを訪れて営業さんのほか設計士さんが入って要望のヒアリングを行い、後日完成したプラン、見積の説明を行っていただくことになりました。

 

一条工務店は、最初の展示場見学から日を改め、完成邸見学や現場見学をさせていただき、更に日を改めて市内の別の展示場(i-smart)を見学させていただき、その場で見積もりの依頼をしましたが、この際も営業さんが要望の聞き取りを行いました。一条工務店は契約(土地が未定の場合は仮契約)後でないと設計士さんと直接相談できないシステムになっています。

 

吉成建築は前の記事に書いた通り要望を記載したヒアリングブックを郵送し、それを基にしたプラン完成後に設計士さんを交えてプレゼンしていただくことになりました。

 

 

 

プラン作成、見積依頼にあたって、各社に示した我が家の条件、要望は以下のとおりです。

 

まずは、建築予定地の条件です。

土地は奥方の両親の家(母屋)が建つ敷地(約180坪)のうち、空きスペースがある北側半分です。接道は南側の市道たけなので、北側に新築するに当たっては、土地を分筆あるいは分割したうえで幅2m以上の接道を確保する必要があり、いわゆる旗竿地の形状になります。

 

 

 

土地には高低差があり、母屋が建つ南側部分と建築予定の北側部分はブロック擁壁で仕切られています。北側部分は平均で700mmほど低くなっており、なおかつ、南東(-500mm)から北西の角(-950mm)に向かって傾斜もあります。

 

 南側に建つ母屋は2階建で、南北を分けるブロック寄りの位置に建っています。東側の隣家は母屋とほぼ同じ地盤高に建つ2階建です。西側は建築地より更に一段低くなっており、2階建の隣家がありますが、敷地境界からは距離があります。北側は西側と同様に、建築地より一段低くなっており、一部2階建の隣家が建っています。

 

 建築予定地の形状は台形で、東西方向には余裕がありますが南北方向は意外に狭く、特に進入路と想定している東側が狭く西側(奥)に行くに従って広くなっています。

 

このような土地の条件、形状から、冬場に南側からの陽当たりは期待できず、また、冷暖房の効率上有利な真四角な家は土地の形状に合わないため、土地に合わせた建物の設計と、高気密、高断熱が必要だと考えました。

 

 

 

 

これを踏まえての建物に対する条件、希望です。

 

概要・外観

 平屋(28~30坪)、片流れ屋根、シンプルデザイン。

 外壁、屋根はメンテナンス費用が抑えられる仕様が望ましい。

 

構造・性能 

 木造(軸組み工法または枠組み工法)

 内外ダブル断熱(付加断熱)、 トリプルサッシ

 エアコン1~2台でLDK、寝室等だけでなく、トイレや脱衣所も均一に空調され、部屋間の温度差、足元と天井付近の温度差もない。

 熱交換式第一種換気システムによる換気と均一化

 

間取りの希望

 歳をとっても暮らしやすい動線。

 広めのLDK(合計18畳以上) 起きている間はほぼここで過ごすので広めに。

 キッチンは開放的で、冷暖房が効く配置。背面に家電・作業用カウンター幅200cm以上。

 食品庫スペースを確保。

キッチン、ダイニングからもTVが見られるLDKの配置。

 LDKに隣接してPCスペース2箇所(書斎までは不要)。

 主寝室(8畳)シングルベッド2台、TV設置。

洋室(6畳)、予備室。将来、私の母親の同居も想定。

和室(~6畳)洋風の畳スペース。 お客様が泊まる部屋。

屋内物干しスペース。物干し→クローゼットにすぐ仕舞える配置。

浴室(1坪)、トイレ一畳(引き戸)、猫トイレスペース。

洗面所と脱衣所を分ける。脱衣所にも多少の衣類、リネン置き場。

 玄関に接した土間収納、その他収納スペース(小屋裏収納等)。

 日中はどこでも明るい配置

 

採用しないもの

 太陽光発電(冬場の陽当たりから)

 勝手口

 食洗器

 

その他 

 2台分のカーポート(濡れずに玄関と行き来できる配置)

 屋外水栓(パン大き目)

 

 

 

以上の条件、要望を踏まえて各社に提案していただきました。

地方中堅ビルダーのウンノハウス、大手の一条工務店のほか、気になっている住宅会社が2つありました。

 

一つは地元工務店がFC加入して展開しているアイフルホーム。震災前に新築検討した際に完成見学した建物や、知人が建てた住宅の間取りがとても良く考えられていて、自分的に気になるハウスメーカーになっていましたが、久々に調べてみると最近になり内外ダブル断熱の高気密高断熱仕様のモデルを手掛けていることが判り、建築予定地近くの展示場を訪れてみました。

 対応していただいた営業の方に我が家が希望する条件(建築地の条件に合わせて高性能な平屋)を提示して相談しましたが、あまり熱意のある説明、提案もなく、ここも消化不良で終わりました。

アイフルホームも以前のローコストなイメージから脱却しつつあり、性能面でも向上していると思っていただけに、少し残念ではありますが、やはり営業マンとの相性は重要なので正式なプラン、見積もり依頼からは外しました。

 

 

もう一つは、リクシルのスーパーウォール工法を採用する地元工務店、吉成建築です。折良く2018年8月上旬に見学会が開催されていたので、完成、構造と見学させていただきました。

 

リクシルHPより

 

 

以前からデザイン性(設計力)、高性能、高品質にこだわり、県中部を中心に年間20棟以上を手がけています

建物の仕様は在来の軸組工法にリクシルのスーパーウォールを採用し、耐震性、断熱性、気密性を確保しており、基礎断熱と第一種換気システムも標準としています。最近は内外のダブル断熱となるスーパーウォールデュアルを採用した仕様も手がけています。

内外のデザインも画一的では無く、施主の希望に添ったもので施工が可能です。

 

 完成邸と建築現場を見学させて頂きました。どちらも間取りが工夫されていて、万人向けとは言えないかも知れませんが、それぞれの施主さんの要望を実現させたであろうと思われる建物でした。現地では、営業さんだけでなく、設計担当者や施工管理者の方も同席され、建物細部の詳しい説明や、換気システム関係の突っ込んだ質問にも対応して頂きました。

 

 建物のデザインや、性能、そして会社の対応も好印象だったことから、こちらにもプラン作成と見積もりの依頼を行いました。

 

 吉成建築のヒアリングは面談によるものでは無く、会社側が用意したヒアリングブックに記入して返送するものでした。家に対して希望するイメージ、仕様等の情報を夫婦間や設計者との間で共有することを目的に、必要な情報を整理しやすい設問が設定されていました。

  ウンノハウスの見学と並行して2018年7月下旬には、ハウスメーカー選びの定番、総合住宅展示場に行きました。自宅アパート近くの展示場ですが、大手ハウスメーカーのほか、地方の中堅ビルダーも出展していました。



 建築予定地の日照条件が悪いことから、とにかく高気密、高断熱を重視したいと考えたので、事前調査で これらの性能に優れた思われるメーカーを中心に見ることにしました。断熱性の公表値や気密性も含めたWEB情報から、大手のうち「3つのS社」や「D社」は除外しました。(価格的にも折り合わないのもありますが・・・。)

 ここで最初に見学したのが一条工務店でした。展示場入り口一番近くにモデルハウスがあった事もありますが、事前の情報収集でも一般に大手と言われるハウスメーカーの中では断トツの高断熱、高気密を誇り、「家は性能」をキャッチフレーズにしています。

 実は震災前に一度マイホームを検討した際にも別の地域で一条工務店の展示場を訪れたことがありますが、当時はiシリーズの発表直後で、展示場はセゾン系でした。営業さんの説明もセゾン系が中心で、内外装のデザインも重厚な感じで、私たち夫婦が望むテイストではなかったこともあり、候補から除外した経緯がありました。当時も各社で高気密、高断熱のフレーズが使われていましたが、私たち自身もその頃は詳しく勉強できておらず、本当の意味で性能重視の家づくりをする意識になっていなかったこともあります。



 今回の展示場はi-cubeでした。
対応してくれたのは30代の中堅営業さんです(この縁により、現在も担当営業としてお世話になっているKさんです)。
 平屋の新築を検討している事、一条工務店ではi-smartが気になっている事を伝えると、展示場内を案内しながら、各シリーズの違いや、iシリーズを中心として耐震等級3の耐震性、内外ダブル断熱とトリプル樹脂サッシによる高気密、高断熱の仕様、ヒートポンプ式の全館床暖房と第一種換気システム(ロスガード90)による快適かつ省エネ性能のほか、キッチンやシステムバスなどオリジナルの住宅設備、将来にわたるメンテナンスを含めたランニングコスト等について説明して頂きました。

 各シリーズで平屋を建築した場合の建築費用の概算をお聞きしたところ、住宅性能や充実した標準設備を考えれば十分にコストパフォーマンスが高い事も判りました。

 この展示場は築6年のi-cubeで、iシリーズⅡになる以前のペアガラス樹脂サッシ仕様でしたが、明るい内装と開放的なLDK、そして、窓枠が広い(外壁が厚い)のがとても印象的でした。

そして何より、この時期、館内の冷房が効き過ぎることもなく、丁度いい温度で、かつ温度が均一になっている事に気付きました。冷房の運転状況を聞くと、モデルハウス部分の1階と2階の各1台ずつのエアコンを連続運転しているとの事。改めて高気密高断熱の性能を実感しました。 


 帰りに各種のカタログ、パンフを頂いたほか、営業用のタブレット端末(i-tab)を貸し出していただきました。また、別途時間をとってi-smartの完成邸や、市内の別の展示場(i-smart)も案内して頂けるとのことで、約束をして終了となりました。

 
 次に見学したのは、スキージャンプのレジェンド、葛西紀明選手が所属する土屋ホームです。本社は北海道ですが、近年(震災後?)東北地方に展開しています。外断熱・基礎断熱仕様を基本としており、北海道生まれの高気密高断熱仕様に期待を込めての見学でした。
・・・しかし・・・、休日の総合住宅展示場だというのに営業担当者が不在で、パートの女性が留守番しているだけでした。最低限の基本説明は受け、カタログを頂きましたが、冷暖房や換気の仕様についての詳細な説明や、疑問点の質問はできず、不完全燃焼でした。  

震災後の”特需”を受けて東北地方に進出したのかな?と思いますが、やはり地の利はなく、この様子ではアフターも含めたサービス体制にも不安があり、また建物の内外装仕上げや設備仕様も取り立てて惹かれる点はなかったことから、「これは縁が無かったのかな?」という所感でした。
 

 

 そして3カ所目、日本ハウスを見学しましたが、最近、アパートの近所に新築した家があり、どんな仕様なのかと気になっていたこともあり、見学候補に入れましたが、ここはほとんど冷やかし。申し訳ないですが、展示場のスタンプラリー目的でした。(3カ所巡ると景品が頂ける内容)
 実際にモデルハウスを見学すると、素材への拘りは感じられましたが、全体のテイストや性能面からも我が家の目指す方向性とは違い、また建築費用(坪単価)も高額なことから、採用見込みは無さそうです。

でも、何故か?訪れた3カ所の中では一番賑わっていたんですよね・・・。


こんな感じで、一条工務店と再会(再認識)する機会となった総合住宅展示場見学でした。

 前回のブログで記載した相談会と前後してWEBで情報収集をするとともに、翌週からは気になるハウスメーカーの完成邸見学や、展示場の見学を本格的に始めました。

建築地の日照条件が悪いことから、冬場を考慮し、とにかく高気密、高断熱を重視したいと考えたので、WEB等による事前調査でこれらの性能に優れていると思われるメーカーを中心に見ることにしました。

 

 まずは、相談会でお世話になったウンノハウスさんの分譲地で完成邸(建売)の見学を行いました。30数坪の2階建て3棟を一度に見学しましたが、3棟ともコンセプトが異なり、LDKの配置ひとつを取っても三棟三様で、それぞれに工夫が凝らされており、設計力と自由度の高さが感じられました。

 

 ウンノハウスさんは南東北3県に展開する地方の中堅ビルダーで、創業60年で16,000棟以上の事績があり、福島の営業所だけでも年間100棟以上を建築しているそうです。

 

 構法は木造軸組みにパネルを組み合わせた独自の工法で、本社のある山形県の夏冬で寒暖差が激しい気候に対応した高断熱住宅です。

営業さんや設計士さんの言うには、これといった特徴がないのが特徴(笑)だそうですが、自由設計を得意とし、ベーシックグレードでも南東北3県の3、4地域における断熱性能4等級をクリアする性能をもっています。

更にこの上に2つのグレードがあり、最上級グレードでは内、外のダブル断熱(ポリスチレンフォーム合計120mm厚)やトリプル樹脂サッシなどハイスペックな仕様も用意されています。

 

 また、屋根や壁内にアルミ素材の遮熱材を採用するなど、季節を通した対策が施されており、私たちが望む仕様に近いと考えたことから、後日、詳細なヒアリングのうえ、正式にプランの提案、見積もりの依頼をすることにしました。

 我が家のマイホーム計画がリスタートしたのは2018年1月、建築地近くの住宅会社が開催したセミナーに参加ました。夫婦それぞれが住宅に望むことを整理する方法、耐震性や断熱性などの住宅性能のこと、住宅ローンのこと、消費増税のこと等を勉強し直す機会となりました。その流れで無料のFP相談も行いましたが、残念ながら、その会社の住宅のテイスト・コンセプト(自然素材志向)が私たち夫婦の指向と合わなかった事もあり、話は進みませんでした。

本格的に動き出したのは2018年7月上旬、当時の自宅近くの複合商業施設で行われた住宅相談会に出かけた事でした。
会場に行ってみると、イベントは、南東北を営業範囲とする地方の中堅ビルダーであるウンノハウスの主催で、協力する金融機関や後に最終候補にも残った会社です。)

当日は、土地探しや、住宅ローン相談、建売の物件紹介などが行われていましたが、我が家はいきなり?設計相談をしました。建築地である奥方の実家の土地の平面図を提示し、コーナーを担当する設計士の方に間取り希望を伝えたところ、方眼紙にすらすらと手書きで間取りプランのラフを描いていただきました。これが限られた時間・情報の中での作成したプランとしては良くできた間取りで、後で奥方と「70点くらいかな?もっと打ち合わせをすれば良いものが出来そうだね。」と話しました。

一般的なハウスメーカーだと、展示場などで営業の方が対応して、要望や条件を聞き取り、設計士に伝えられて後日見積もり用のプラン提示される・・・って流れだと思いますが、この会社は設計士が対応し、いきなり及第点?と言える間取りが提示された事に衝撃を覚えました。

この日はそのプランで標準仕様の場合の概算金額(建物、付帯工事)を聞いて、カタログ等をもらって帰りましたが、これを期に、私たち夫婦のマイホーム建築計画が一気に現実味を帯び、その後は、熱心にWEBで情報を収集したり、展示場や完成見学等に足を運ぶきっかけになりました。