次男が親に反発したわけ
朝、近所へ北海道の土産を持参する。
「観光? それとも出張ですか?」と尋ねられたので、「次男が北海道の高校へ入学しました」と伝えた。
小学校のPTA副会長を同時期につとめた、自営業の市川武弘さんとは次のような会話になる。
「次男さん、奥星余市ですか? いい高校へ行ったんだ!」
「ご存じですか?」
「もちろん知っています」
「これまでいろいろ迷惑をおかけしました」
「全然、そんなことないですよ。ただ、次男さんにはバイクに乗るものの流儀として、『ヘルメットはかぶれ。この一角へ出入りするときはエンジンを噴かさないで音を落とすか、切ったほうがいい。そうしないと近所の嫌われものになるから』と助言したくらいです」
「親が『自動二輪の免許を勝手に取るな! バイクを買うな!』と言ってもお構いなしです。その点、市川さんの助言には耳を傾けるので、ほんとありがたいですよ」
「押さえ込むと逆にやりたくなるのが子どもの心理です。次男さんは特に押しつけるとよけい反発する性格です。バイクに乗ってみると風や雨を受けるので寒いとか管理が面倒と思って、そのうち飽きてきます。それをダメだと言うとどんどんしたくなるのです」
「市川家だと、お子さんにどう指導しているのですか?」
「うちは学校から特別な事情がない限り禁止されているバイトでも息子が『やりたい』と言い出したとき、『やりたいんならやればいい。その代わり、親の送迎を当てにするな。それだとバイトとは言わない。バイクでも自分で買って自分で行くように』と言いました」
次男には幼少のときから長男がやっているテレビゲームをやらせ、ショッピングセンターでお金を与えてやらせ、門限があまかったからこうなったと思っていたが、市川さんの話を聞き、大きくなってやりたいということをなんでもダメだと言ったことも反発の原因なんだと認識した。
それとともに長男が高校3年の秋からアルバイトを始めたとき、妻は毎日のように送迎してやった。
これは親が甘すぎたんだなと反省する。
わたしは子どものころ親に反発したことがないので、次男の気持ちがわからなかった。
市川さんは特に心理学を勉強しているわけではないのに子どもの気持ちがわかる。
わたしは自分をダメおやじだなーと思い、うーんと言いながらしばし腕組みをした。
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