太陽がゆったりと沈み、柔らかな明かりが灯ります。豊かな香辛料と新鮮な食材で作られた料理を味わいます。インド洋でのアジアンデッキディナーのひとときです。

 

客船「PACIFIC VENAUS」は楽団による歓迎セレモニーに包まれ、ムンバイに入港します。私たちは興奮と期待に胸を膨らませます。ふたりのエトランゼ(異邦人)が、新たな扉を開く瞬間です。

 

ムンバイの港を海風に吹かれながら散策し、売店に立ち寄ります。鮮やかな色彩の雑貨が並んでいます。目に留まったのは、インド象のキーホルダーです。

 

手に取ると、思い出が蘇ります。かつて、日本の子どもたちへの贈り物として、インドの象「インディラ」が日本に贈られてきたエピソードです。

 

それは、当時の子供たちにとって大きな希望の光となったのです。その象は、私たちが今立っているこのインドの地で生まれ、育まれていたことに愛しさが込み上げてきます。

 

インドでは、象の存在が時を超えて、人々の心に深く根付いています。それはまさに国と国の、心と心の絆を結ぶ存在だったのです。私たちはこれからの冒険に更なる意味と深さを感じ取ります。

 

客船「PACIFIC VENAUS」は出港します。ムンバイでの思い出は、未知との出会いや冒険に対する力強い後押しとなりました。