セミの脱皮を、一度見てみたいな。
木の根元に丸い穴がいっぱい。
セミの抜け殻を探して、歌猫ららと歩く。
八月半ば、セミも夏ばてなのか、
木の下の、目線の位置で鳴いている。
山猫みいはそっと近寄り、手で捕まえる。
黒い体に茶色の羽は、アブラゼミ。
透明な羽に、ころんとした黒い体、
黄緑をまとったクマゼミ。
お盆明け、あちこちで道端に落ちている。
踏まれないようにと拾い上げると、
足がゆっくり動く。まだ生きている。
竹の小さな虫かごに入れると、
時々、ばたばたしたり鳴いたり。
スケッチしようと思いつつ、
歌猫ららと山猫みい、ただ眺めている。
街猫まあが、帰ってきて見つける。
あっ!動いたよ。夏の声を小さく聞く。