あるところに貧しい町がありました。
地元の中小企業の事業主達はどうにか町を発展させる方法は無いものかと連夜集っては話し合いを行っていました。
なかなか良いアイディアが出ない中、一人の若手社長がある提案をしました。
「私たちの町には、かの有名な○○株式会社という大企業の工場があるじゃないか、あの工場のおかげでこの町が成り立っていると言っても過言じゃない。それならこれを活用しない手はないじゃないか!」
皆、彼の話に耳を傾けました。
「そうだ、こんなアイディアはどうだろう?あの○○株式会社は確か△△ビール株式会社の大株主だったハズだ。そこでだ、俺たちは町全体で 『△△ビールを率先して飲む運動』 をしようじゃないか?!そうすれば△△ビールの売上げは上がって、その大株主である○○株式会社にも利が出てくるハズだ!そうして○○株式会社が儲かれば、俺たちの町も発展して行くんじゃないか?!」
突拍子も無いアイディアに皆は静まり返りましたが 「それ面白いんじゃないか?」 という誰かの一言で一気に皆の意志は固まり、そして盛り上がりを見せました。
それからというもの、それぞれの会社の社長達は自分の会社で「△△ビールを飲もう!」運動を推進し、その動きは町全体に広がって行きました。
当然○○株式会社も巻き込んでの一代プロジェクトです。「ビールと言えば△△ビール!」 この言葉は合言葉になり、町だけでなく市や県外、全国的にも広まる勢いでした。
「○○市と言えば△△ビールだよね!」 世間でも周知の事実となった頃、突然○○株式会社は△△ビール株式会社の株式一切を手放しました。
経営方針でした。
時は経ち、町を発展させる方法はないものかと連夜集っていた事業主達も歳をとりました。無念を抱いたまま逝った同志もありました。それでもこの町にはいまだあの言葉が定着しています。
「○○市と言えば△△ビール!」
遠い、遠い昔の物語です。
PS
この物語はフィクションです。
本日もここまでお読みいただき誠にありがとうございました。m(_ _)m