心優しい精神障害者の妹が検査で大きな腫瘍が直腸に出来ていることがわかったのがちょうど年末のクリスマスの頃。
すぐに大学病院の消化器外科へ入院しましたが、病気のショックと入院のストレスから精神症状がみるみる間に悪化。
しかも、運悪く年末年始が重なってしまったために、精神科との兼ね合いもあり直ぐに手術することができませんでした。

腸閉塞でいつ緊急手術になるかわからないため、絶食。
しかも、高カロリー輸液を24時間送る中心静脈栄養も抜いてしまう恐れがあったため出来ません。
普通の静脈からの点滴で10日近くを過ごし、元々痩せ型だった妹の体重はみるみる落ちていき、身長165㎝、体重は33kgにまで落ちてしまいました。

極端に衰弱してしまった妹は、一人で歩く事もできず、精神病棟の保護室にたった一人で隔離されてしまいました。
そして、ベッドから転倒する危険性と点滴を抜いてしまう恐れがあるため、ベッド上にベルトで拘束され、全く自由が効かない状態されてしまいました。

そうするしか仕方が無かったこととは言え、優しかった妹が精神疾患の上に直腸癌にまでかかってしまい、何日も絶食。
衰弱しきってベッドの上に拘束され、自由を奪われた姿を見るのは、とても辛く悲しい事でした。

両親は高齢で入院先の大学病院へはタクシーで40分程度かかるために頻繁に訪れることはできません。
私が面会に行っている間抑制帯はとっていただけていたので、毎日面会時間ギリギリまでいて付き添い、トイレに行く時の付き添いや、話し相手など、身の回りの介助をしました。

そして、年末年始が過ぎた1月初旬、手術の体制が整ったため精神科病棟から消化器外科へと転棟し、直腸癌の手術を受けたのでした。


つづく