ドラクエ6において大魔王デスタムーアに仕える四大魔王の一人として登場したジャミラス。
その出番はほんのわずかであるが、一部のプレイヤーの間ではカルト的な人気を誇り、2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)では彼を模したAA(アスキーアート)まで作られた。
 
AAとなったジャミラス
下の部分は機動戦士ガンダムで演説が有名なギレン・ザビ

 

なぜジャミラスはここまで人を惹きつけるのか?

その理由を少し考えてみたい。

 

まず一番に挙げられるのは見た目のカッコよさだろう。

伝説上の生物グリフォンをモチーフとした魅力的なデザイン。

あの見た目を見て「ダサイ!」と思う人間は少ないように思われる。

 

二番目に挙げられるのは演説のインパクト。

以下がその内容である。

 

見よ!この あわれなる 人間どもを!
おのれの欲望のままに生き
しあわせの国などという 甘言に やすやす まどわされる おろか者を!
聞け わが同胞たちよ!
たとえ ムドーが ほろびようとも このジャミラスが いるかぎり 魔族は ほろびぬ!
われを あがめよ! われをたたえよ!
そして 今ここに われらが黒き神々に いけにえを たてまつらん!

 

こんな大演説をぶちかまして初登場したジャミラスに、多くのプレイヤーは驚いたはずだ。

 

しかもその演説の内容のカッコイイこと。

たとえムドーが滅びようとも、このジャミラスがいる限り魔族は滅びぬ!

こんな事を言われたらもう付いていくしかないだろう。

実際、多くの魔物が彼の演説を熱心に聴いていたし、ジャミラスコールも響き渡っていた。

 

また忘れてはならないのがテリーのワンダーランドである。

この作品でもジャミラスは再び登場。新たな演説をぶちかますのである。

その内容がこれだ。

 

しょくん!
いまこそ われらが たちあがり…
あたらしき じだいの とびらを
ひらくときでは なかろうか?!
そう!まものの まものによる
まもののためだけのせかい……
しもふりにくを まいにち
たべられるせかい!
そんなせかいを わたしは
しょくんに やくそくする!!
であるからして…

 

しもふりにくを毎日食べられる世界。

こんなマニフェストを掲げられては付いていくしかないだろう。


善政の基本とは国民を飢えさせないことである。

飢えという深刻な問題の前では、どんな政治的な自由も意味をなさない。

ジャミラスはそのことをよく分かっているのだ。

まずは飢えさせないことが大事だと。

それを理解し、毎日しもふり肉が食べられる世界を実現しようとするジャミラスはまさに魔王の鑑だと言える。