みなさんはニコニコ大百科というサイトをご存じだろうか?
ニコニコ動画で有名なドワンゴによって運営されているオンライン百科事典で、端的に言えばゆるいウィキペディアである。
もっともウィキペディアと違って有料会員でなければ記事の作成どころか執筆さえ出来ないというケチな仕様だが。
 
私はそんなニコニコ大百科でいくつか記事を作成・執筆した事があるのだが、今回はそれに関する失敗談を書いてみたい。
 
もう14年も前のこと、私は最も敬愛する漫画家の記事を書いた。作品名を聞けば誰もが知る漫画家である。
ウィキペディアですら霞む勢いで詳細に書いたので、多くの人から感謝のコメントが掲示板へ寄せられた。
 
いかに優れた漫画家であるか、彼の生み出した漫画がいかに素晴らしいかを掲示板で語り合ったものである。

 

だがそれから10年後、その漫画家はちょっとした失言をしてしまい大炎上。

 

掲示板は大いに荒れてしまった。
 
ネットイナゴの発生である。
 
自分はそんなネットイナゴたちに掲示板で苦言を呈した。
お前らイナゴに掲示板を荒されて迷惑だ、と。
だが、その一人から同類扱いされる中傷を受けた。
お前もそのイナゴの一人だろうが、と。
 
腹立たしく思ったが、それ以上にあまりに的外れなその中傷につい笑ってしまった。

 

なぜなら自分はその記事を立てた張本人だからである。

 

言ってしまえば、私のおかげで彼らは好き放題書ける訳だ。
そんな私が同類扱いされる可笑しさ。
何も知らないんだなコイツは....と哀れにすら思ったことを今でも覚えている。

 

この記事では分かりやすいように「ネットイナゴ」と書いたが、実際に関わってみるとその異様さはハンパではなかった。

 

異常なまでの攻撃性と狂った思考に支配された"それ"は「イナゴ」というより「人間の皮をかぶったモンスター」だった。
これは誇張ではなく、本当にそういう独特の気持ち悪さがあるのだ。関わってみたら分かるよ、ホントに。
 
例の漫画家はその3年後に不慮の死を遂げるのだが、未だにその掲示板は荒らされ続けている。
 
ネットイナゴの底なしの食欲もとい攻撃性というべきか、その執念深さには驚かされるが、同時にこうも思うのである。
 
私が記事を書いたせいではないか?と。
もし私が記事を書かなければあれほどの大炎上には発展しなかったかも知れない。
少なくともあの忌々しいイナゴ共が好き勝手に書く事はできなかったはずだ。
まあ、私以外の誰かが記事を書いていたかも知れないが...。
 
これが私のニコニコ大百科の失敗談である。
ネットで物書きの真似事を随分長くやってきたが、未だにこれを超える失敗はない。
漫画家先生には大変申し訳ない事をしたと思う。
あんなクソみたいなイナゴ共に好き放題言わせる場を作ってしまって。